チベット山頂に望遠鏡を設置「HinOTORIプロジェクト」

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広島大学が中国と共同で進めてきた「HinOTORI」プロジェクトが10月6日、望遠鏡の設置を完了した。チベット自治区内の標高5100m地点から、重力波天体やニュートリノ天体などを観測する予定だ。

【2017年10月23日 広島大学】

広島大学宇宙科学センターでは2013年より、中国科学院国家天文台(北京)および紫金山天文台(南京)と共同で、国家天文台阿里観測所(チベット自治区阿里地区、標高5100m)の観測適地に口径50cm望遠鏡を建設する「HinOTORI(HIroshima uNiversity Operated Tibet Optical Robotic Imager)」プロジェクトを進めてきた。「火の鳥」は広島大学のシンボルでもある。

このたび、9月下旬から10月上旬にかけてドーム施設の建設を行い、10月6日に望遠鏡本体の設置工事が完了して試験駆動に成功した。今後整備を進め、来年秋には観測を開始する予定となっている。

ドームの内部
設置作業中のドーム内部(提供:広島大学、以下同)

チベット・阿里地区の観測所サイトは標高が5000mを超えており、地球大気による影響が少ないほか、モンスーンが強い夏場を除けば晴天率が極めて高く、世界的な観測適地の一つとなりうる場所だ。重力波天体やニュートリノ天体、超新星等のネットワーク型連携観測において、中央アジア地域における重要な基地として活躍が期待される。

設置地点からの眺め
望遠鏡設置地点からの眺め

「観測の際には、アストロアーツのiPhoneアプリ『iステラ』も活用しています」(広島大学 内海洋輔さん)。

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