星座八十八夜 #73 もっとも長〜い星座「うみへび座」

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星座の端から端まで100度もある長い星座です。背中に「ろくぶんぎ座」や「コップ座」「からす座」を乗せて、春の南の空の西から東へ横たわっています。

【2024年3月26日 アストロアーツ

星座八十八夜

「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)

見どころ

春の南の空で〈しし座〉の1等星レグルスの下をさがすと、2等星アルファルドが見つかります。アルファルドはアラビア語で「孤独なもの」という意味で、その名のとおりほかに明るい星がないので、すぐにわかるでしょう。この星がウミヘビの心臓の星で、ここから西の、〈こいぬ座〉のプロキオンとレグルスの間にいくつかの3~4等星が集まっているところがウミヘビの頭です。

双眼鏡や望遠鏡があれば、散開星団M48や球状星団M68、渦巻銀河M83といった天体を楽しむこともできます。

うみへび座

星座の起源

およそ5000年前の古代メソポタミア時代から存在していたとみられる、古い星座です。当時は足の生えた竜のように描かれることもありました。ギリシア神話ではたくさんの頭を持つヒドラですが、星座絵ではいつも頭は1つだけです。和訳の際に「うみへび」となりましたが、本来は海と全く関係ありません。

星座の物語

〈うみへび座〉は、ギリシア神話のレルネの沼のアミモネの泉に棲む化け水ヘビのヒドラの星座です。ヒドラは、頭が9つあるいは100もある凶暴な怪獣で、その血と息には猛毒があり、近くの住民たちを襲って困らせていました。

ある日、ヒドラのもとに英雄ヘルクレスがやってきました。ヘルクレスは12の冒険のうちの第2番目として、ヒドラ退治の使命を負っていたのです。かくしてヘルクレス対ヒドラの対決が始まりました。そして大乱闘の末、ついにヒドラは、ヘルクレスの正義の力と計略の前に倒れてしまいました。

女神ヘラは、ヘルクレスを憎んでいたので、この戦いの間中ずっとヒドラを応援していました。ヘラはヒドラの死を悲しみ、ヒドラに加勢したお化けガニのカルキノスとともに、天に上げて星座にしてやったといいます。

88星座の見所を紹介!「スマホで楽しむ星座入門」

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