M31の再帰新星、1年ぶり16回目の新星爆発を確認

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約1年周期で爆発するアンドロメダ座大銀河の新星M31N 2008-12aの、通算16回目となる増光が12月5日に観測された。

【2023年12月6日 高橋進さん】 2023年12月8日更新

12月5日に、アンドロメダ座大銀河(M31)の再帰新星M31N 2008-12aが新星爆発を起こしたとの報告がありました。前回から368日ぶり、通算16回目の増光です。

M31N 2008-12a(2023年)
M31N 2008-12a(赤線の交点)。2023年12月6日撮影。画像クリックで表示拡大(撮影:清田誠一郎さん

新星とは主系列星(または赤色巨星)と白色矮星の近接連星系で起こる爆発現象です。主系列星から流出した水素ガスが白色矮星の表面にたまっていき、これが臨界量を超えると新星爆発として観測されます。

ただ、この爆発は白色矮星の表面のガスを吹き飛ばすだけです。その後も主系列星からの流入は続くので、やがてまた新星爆発が起こります。その間隔は数千年から数十万年のものがほとんどですが、なかにはもっと短い周期で新星爆発を起こすものもあり、再帰新星(回帰新星、反復新星)と呼ばれます。

2024年に爆発して明るくなると期待されているかんむり座T(T CrB)の周期は約80年とみられています。一方、へびつかい座RS(RS Oph)は約9年、さそり座U(U Sco)は約8年です。このように間隔がいろいろあるのは、白色矮星の質量や流入する水素ガスの量によるものと考えられます。白色矮星の質量が大きいほど、また流入する水素ガスが多いほど、爆発の間隔は短くなります。

今回新星爆発を起こしたM31N 2008-12aは、ほぼ1年周期で新星爆発を起こす再帰新星です。初めて観測されたのは2008年12月26日で、西山浩一さんと椛島冨士夫さんにより発見されました。これまでの爆発周期の平均は364日で、2022年は12月2日に増光が観測されたことから、今シーズンの爆発もいつ起こっても不思議ではないと世界中の観測者や天文台が毎日M31に望遠鏡を向けていました。

そのようななか、中国の星明天文台#2(Xingming Observatory #2)が今回の爆発の第一発見になりました。下表のとおり過去には日本の観測者たちもたびたび第一発見をしていますが、今年の当日は前線を伴った低気圧が日本を通過していて観測のできない日になり、発見することができませんでした。

M31N 2008-12a発見者
M31N 2008-12a発見者(当初、2016年の発見は星明天文台としていましたが、正しくは板垣公一さんでした)

通常、新星の観測は爆発が起こってしばらくしてようやく始まります。そのため、増光初期の観測がなかなかできません。しかしM31N 2008-12aのように頻繁に増光する天体は爆発時期の予想がしやすく、多数の観測が行われて増光の様子が詳細に記録されます。これは新星の研究には大変ありがたいことです。こうした観測の積み重ねで、さらに新星の研究が発展することを願っています。

M31N 2008-12aの光度曲線
M31N 2008-12aの光度曲線(作成:高橋さん)

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