大銀河の周囲の矮小銀河は円盤状に分布

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【2014年7月24日 The University of Sydney

多くの矮小銀河は、大きな銀河の周囲でランダムに運動しているのではなく、整った円盤状の軌道を動いているという研究成果が発表された。


アンドロメダ座大銀河(M31)

アンドロメダ座大銀河(M31)。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

豪・シドニー大学のGeraint Lewisさんたちの研究チームは2013年に、アンドロメダ座大銀河(M31)の周りに存在する矮小銀河の半分が、薄い面上にある軌道を描いてアンドロメダ座大銀河を公転しているという研究成果を発表した。この面は直径が数百万光年以上もあるが、厚みはわずか30万光年しかない。

コンピュータシミュレーションでは、大きな銀河の周りに存在する矮小銀河の軌道はランダムであると推測されてきた。つまり、アンドロメダ座大銀河の周囲の矮小銀河に見られたような軌道の分布は予想外だったのだ。

研究チームでは全天の3分の1以上をカバーする銀河地図「スローン・デジタル・スカイ・サーベイ」のデータを利用し、数千個におよぶ近傍銀河の特徴を調べた。その結果、調べられたあらゆる場所で矮小銀河の整った運動が見られた。おそらくこうした分布は普遍的なものであり、約5割の銀河で見られると研究チームは考えている。

宇宙におけるガスの流れをつかさどる未知の物理過程に理由があるのかもしれない。とはいえ、矮小銀河を薄い面へと導くメカニズムについては何もわかっておらず、さらなる観測や研究が必要とされる。

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