C/2001 A2 リニア彗星特集 肉眼彗星接近中!

 

 今年1月15日にアメリカのリンカーン研究所チーム(LINEAR)が発見した彗星、C/2001 A2リニア彗星は、2月には15等と報告されていましたが、3月末には7等級まで急増光しました。さらにアリゾナ大学の月惑星研究所が4月30日に撮影した画像からは、彗星核が二つに分裂していることが判明しました。一般的に彗星の核が分裂すると、内部の揮発成分が一気に蒸発し、彗星の光度が急増光すると言われますが、C/2001 A2リニア彗星もその例にもれず、5等級に増光しています。そして5月16日、ヨーロッパ南天天文台の観測により、二つに分裂した核の一方がさらに二つに分裂していることがわかり、これによっても増光がありました。リニア彗星は6月中旬現在、3等級になっています。というわけで、東の地平線の上にあらわれる6月下旬からは、日本でもひさびさの肉眼で見える彗星を楽しむことができそうです。

 

 

オーストラリアのGordon Garradd氏提供の2001年5月17日のC/2001 A2 リニア彗星

● オーストラリアのGordon Garradd氏提供、2001年5月17日撮影のC/2001 A2 リニア彗星

 この画像は、口径45センチメートルF5.4のニュートン式望遠鏡と冷却CCDカメラにより撮影されたもの。各コマ40秒露光の7コマをつなぎ合わせて、コマから1.5度ほどまでのイオンテイルを詳細にとらえることに成功している。画像上が北。なお、10x50双眼鏡による眼視観測では、5度ほどの尾が確認できたという。

 右下は、コマの周辺100秒角四方のクローズアップ。2つに分かれた核がはっきりとわかる。左がA核、右がB核。B核は、ヨーロッパ南天天文台 (ESO) の8.2メートルVLT望遠鏡の5月16日の観測により、さらに2つに分裂したことがわかっているが、まだ離角が小さすぎるため、この画像ではさすがに分離できていない。

 

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