系外惑星の大気を解明 新カメラ「MuSCAT」が始動
【2015年1月6日 国立天文台 岡山天体物理観測所】
岡山天体物理観測所(岡山県浅口市)の口径188cm反射望遠鏡に、国立天文台や東京大学などの研究グループが開発を進めてきた観測装置「MuSCAT」(マスカット:Multi-color Simultaneous Camera for studying Atmospheres of Transiting exoplanets)が新たに搭載された。この装置は系外惑星が主星の手前を通過する「トランジット」と呼ばれる現象を、青、赤、そして近赤外線の3つの波長帯で一度に高精度にとらえることができる。第二の地球とも呼べる新しい系外惑星の発見や、系外惑星がもつ大気の性質の解明につなげるのが観測の目的だ。
2014年12月24日にMuSCATのファーストライト(テスト観測)が行われ、超新星残骸のかに星雲(M1)などが撮影されたほか、装置の性能を評価するための試験データが取得された。MuSCATは今後4か月ほどかけてさらに試験観測と調整が行われ、今年後半から実際の科学観測に用いられる予定となっている。
MuSCATのファーストライトで撮影されたかに星雲(M1)(提供:国立天文台)
〈参照〉
- 国立天文台 岡山天体物理観測所: 新しい系外惑星観測装置MuSCAT(マスカット)、始動
〈関連リンク〉
- 国立天文台 岡山天体物理観測所: http://www.oao.nao.ac.jp/
- 星ナビ.com 金井三男のこだわり天文書評:
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