イプシロン6号機、打ち上げ失敗

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JAXAのイプシロンロケット6号機は12日午前に打ち上げられたが、姿勢異常により搭載した衛星を予定の軌道へ投入できないと判断され、指令信号により破壊された。

【2022年10月12日 JAXA

10月12日午前9時50分43秒、JAXAのイプシロンロケット6号機が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。このロケットには、公募で選ばれた企業や大学の小型衛星や部品などからなる革新的衛星技術実証3号機、およびQPS-SAR-3、QPS-SAR-4が搭載されていた。

イプシロンロケット6号機の打ち上げ
イプシロンロケット6号機の打ち上げ(提供:JAXA

ロケットは1段の燃焼を終了し、フェアリングを分離、続いて1、2段を分離、さらに2段の燃焼開始から終了までは計画通りに飛行した。

ところが、ロケットの3段を2段から分離しようとする時点で目標姿勢からずれていることがわかった。そのままでは衛星を地球周回軌道へ投入できないと判断されたたため、9時57分11秒に指令信号が送られてエンジンタンクが破壊され、打ち上げは失敗となった。ロケットは海上の予定区域へ落下したと推定されているが、水深の深い海域であることから回収は難しいようだ。

JAXAがロケットの打ち上げに失敗したのは、2003年のH2Aロケット6号機以来のこと。イプシロンロケットの打ち上げはこれまで、2013年に実施された試験1号機から昨年の5号機まで実施されていた。