ソユーズ打ち上げ失敗 宇宙飛行士2名は無事

このエントリーをはてなブックマークに追加
日本時間の11日夕方、ロシアの有人宇宙船「ソユーズ」がエンジン停止トラブルにより打ち上げ失敗となった。搭乗していた2名の宇宙飛行士は乗っていたカプセルを分離して脱出し無事だった。

【2018年10月12日 NASA(1)(2)

日本時間10月11日17時40分、ロシアのAlexey Ovchinin宇宙飛行士とアメリカのNick Hague宇宙飛行士を乗せた宇宙船「ソユーズ」がカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。しかし打ち上げ約2分後にロケットの補助推進装置に異常が発生し、2段目のエンジンが停止。OvchininさんとHagueさんは乗っていたカプセルをロケットから分離してパラシュートで地上に降下した。

ソユーズの打ち上げ中継の動画(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

カザフスタン・ジェスカズガン南部にレスキューが事前に駆けつけ、同19時すぎに2人の無事を地上で確認、その後2人はヘリコプターで近くの病院に移送された。

有人宇宙船として半世紀以上もの間活躍してきたソユーズだが、重大事故は1971年を最後に過去2回のみにとどまっていた。現在では国際宇宙ステーション(ISS)へ人員を運ぶ唯一の手段となっているが、ソユーズによる有人飛行は事故原因が明らかになるまで中止されるなど、しばらくは影響が続く見込みだ。

ロシア・ロスコスモスでは今回の事故調査委員会を設置した。NASAは調査への協力と並行して、ISS参加各国とともに、10月下旬予定の船外活動を始めとするISS運用スケジュールの見直しを進める。

2名の宇宙飛行士とその家族
10月11日にバイコヌールに隣接するクライニー空港で出迎えた家族と抱き合う、2名の宇宙飛行士(提供:NASA/Bill Ingalls)