ステラナビゲータ Ver.7で再現
365.2422歩のマーチ

星ナビ2005年3月号に掲載)

今年の春分は3月20日。天文学的には太陽が春分点を通過する大事な日です。今回は、今年の春分の日から1年ごとの太陽の動きを詳しく見てみましょう。

1. 春分の日に設定

太陽・月ダイアログ
メニューから「天体」−「太陽・月」を選択。太陽は『輪郭』をオンにし、月は『表示』のチェックをはずして非表示にする。

まず日時は、今年の春分である2005年3月20日21時33分に設定します。表示形式は赤道座標、視野角は10度にします。太陽は輪郭表示、月は非表示に設定します。

2. 赤道と黄道の交差点

経緯線ダイアログ
メニューから「天体」−「経緯線」を選択。赤道の『視位置』と「黄道」の『表示』にチェックを入れる。
2005年の春分の日

次に赤道と黄道を表示しましょう。経緯線ダイアログの「赤道」から「視位置」の『表示』を選びます。また、黄道も表示させます。画面内に太陽が見えないときは、スクロールバーを動かして、太陽を中央に表示させましょう。

これで、春分の日に赤道と黄道の交差点(=春分点)が、太陽(輪郭)の中心に位置していることがわかりますね。

3. 太陽が行ったり来たり?

西暦を増減させる
ステラパッドの「2005」の一ケタ目にマウスポインタを合わせ、左クリックをすると数値が上がります。右クリックで数値が下がることも覚えておきましょう。

では、次に1年後の太陽の位置を見てみましょう。ステラバッドの「2005」にマウスポインタを合わせ、左クリックすると数字がひとつ大きくなり、「2006」年になります。

2006年〜2009年の春分の日

さて、画面に目を戻すと……太陽の位置が春分点からずれてしまっています。これはどうしたことでしょう。左クリックでさらに時間をすすめると、太陽が3年続けて後ろに下がり、4年目にはその分を取り戻すように前に進むことがわかります。なぜこのような動きをするのでしょうか。

実はこれがうるう年のある理由です。地球が太陽の周りを一周するのに正確には365.2422日、つまり365日と約4分の1日かかります。4年分で約1日となるので、4年に一度うるう年を設けて、日付を地球の公転に合わせます。ただしこれだけでは1年が365.25日となり、まだわずかに誤差が残っているので、

  1. 4で割りきれる年はうるう年とする。
  2. 100で割りきれる年はうるう年としない。
  3. ただし400で割り切れる年はうるう年とする。

ですから、どんどん年を進めていくと、4年単位で行きつ戻りつしますが、全体的に先に進んでいきます。しかし100年に一度はうるう年がないので引き戻され、正しい位置に収まるということになります。これをグレゴリオ暦といい、1582年ローマ法皇グレゴリオ13世が制定しました。

かつては太陽の位置を正確に計測することが、天文学者の大切な仕事でした。いまや太陽の動きは完全に計算でき、このようにパソコンで簡単に見ることができます。

ふだん何気なくすごしている春分の日ですが、太陽と地球の関係、そして天文学と暦の歴史について、じっくりと考えてみるよい機会かもしれません。