2010年6月

今月のさんぽ先部分月食

傘の手放せないこの季節。昼間はむし暑いこともありますが、雨があがって過ごしやすい夜もあるものです。雲が切れて月や星が見えていると、何だかちょっと嬉しいような、いまのうちに見ておかないと何だかもったいないような、6月の夜空はそんな特別な感じもします。そして6月26日には月食が起こります。いつもとは様子の違う満月が夜空に浮かんでいますから、もし晴れればいっそう特別なものに感じられることでしょう。

6月26日、土曜の夜です

6月26日の夕方、太陽が西(やや北より)に沈むころ、その正反対の東(やや南より)の方角からまるい月がのぼってきます。まだ空が明るいうちから22時頃にかけて、そのまるい月が部分的にしだいに暗くなっていき、またもとの姿に戻っていきます。最も食が深くなるのは20時38分ころで、月の半分ほどが暗くなり、月明かりが弱まります。

この月食の前半は、まだ夕空の明るさが残っている時間帯です。この際ですから、しだいに夜の闇が空を覆っていくようすにも注目して、光と影の天体ショーを楽しみましょう。

月食の経過

とうちゃーん、こんど月食があるんだって! 去年の日食グラス、使えるかなあ?

いらんだろ、日食じゃなくて月食なんだから。

そうか月食って月を見るのか! 月が太陽にかくれるんだね!

おいおい、それはちがうだろ。月が…アレにかくれるんだ、えーっと、アレ、なんだっけ、あれ?

とうちゃん、アレって一体なんだよ???

月が地球の影にかくれる、それが月食

太陽の光は地球を照らしています。そして地球から太陽と正反対の方向には、ふだんは気づきませんが地球の影が常に長く伸びています。その影のところを月が横切ると、月面がスクリーンのような役目を果たし、地球の影の存在がわかります。月食とはつまり、月が地球の日陰に入り込む現象です。月が部分的に地球の日陰に入り込むと部分月食、全体が入り込むと皆既月食となります。

月食は、太陽−地球−月と一直線に並んだとき、つまり満月のときにだけ起こります。別の言い方をすれば、月食のときは必ず、地球から見て太陽と月がちょうど反対方向にあります。

2010年は、1年のうちに3回も月食がある珍しい年です。1月と12月にも月食があり、6月の月食はじつは今年2回目の月食です。月食が1年のうちに起こる回数は最大で3回、しかも今年はその3回とも日本から見ることができます。

地球全体で日食と月食の起こる頻度を比べてみると、その比はほぼ3:2で、じつは日食よりも月食のほうが珍しい現象であるといえます。しかしながら、月食は地球上の広い範囲で見ることができる現象なので、地球上のある地点(たとえば自分のいるところ)から見られるかどうかということで言えば、目撃するチャンスに比較的恵まれ、月食のほうがよく起こっているかのように思えてしまうのです。

ちなみに日食は、今年は1月と7月の2回ありますが、1月の日食は西日本限定でした。7月の日食は日本からは見ることができません。

これから起こる日食や月食については、星空ガイド雑誌「星ナビ」などで随時お伝えしていきます。忘れずチェックしましょう。

月食

夕方の空は太陽の反対側の地平線付近から地球の影で暗くなっていきます。月食はその影が遠く月にまで届く現象です。

月食と日食

月に地球の影がかかるのが月食、太陽が月にかくされるのが日食です。(画像 © 大川拓也)

星空ナビで月食を見てみよう

月食のようすをシミュレーションしてみよう

[天文現象]メニュー [天文現象]メニューのリストから「2010年 6月26日 部分月食」を選んで再現してみよう。(下画面)

2010年 6月26日 部分月食 最大食のころの月のようすが表示される。この日は満月なのに、欠けて見える。(上画面)

日時を変える 「日時」を分または時間の単位で変えてみると月食の進み方を調べることができる。(上画面)

ズームアウト Bボタンで画面をズームアウト。月の位置やまわりの星空のようすがわかる。(上画面)

月食当日の日没・月の出時刻をチェック

[こよみ]メニュー 月食当日の日没・月の出の時刻は?[こよみ]メニューでチェックしておこう。(上下画面)

こよみ 下画面で日付を設定すると、上画面にその日のデータが表示される。(上下画面)

月食の日は、太陽と月が正反対にあるってほんと?

[星をさがそう]メニュー [星をさがそう]メニューで「太陽」を選び、太陽がどこにあるか教えてもらおう。(下画面)

[地平線の下の太陽] 地平線下の空も薄く表示されるので、夜でも太陽のある方向がわかる。(上画面)

[月] こんどは「月」を選んで探す。画面上の月の方向に、本物の月があるはずだ。(上画面)

本体設定 DS本体の日付と時刻を月食の日時に合わせれば、事前に試すことができる。あとで元に戻すのを忘れずに。