Part-6 移動性高気圧に覆われた場合


 この時期3番目に多いのが、この移動性高気圧に覆われる場合です。天気図では、孤立した高気圧が日本の上空やすぐ近くにあり、同心円状の等圧線がこれを囲んでいる場合にあたります。

 この移動性高気圧の場合は、基本的に全国的に晴れの天気になります。

 移動性高気圧の気圧配置なら、高気圧の東側が快晴域です。高気圧の東側はゆるやかに気流が下降しており、乾燥した晴天域となります。この進行方向前面の晴天域は、ほぼ晴天になりますので狙い目です。これに対し高気圧の東側はハケで掃いたような高い雲(巻雲)が広がることが多くなります。薄い雲なの部分食中は雲を透かしてつきを見ることはできそうですが、光量の落ちる皆既中は妨げになるかもしれません。ただ、東北から北海道にかけての日本海側では、冬型の気圧配置に近い状態が残る場合があり、この場合は冬型に似た天気となります。

 

移動性高気圧の天気図

● 移動性高気圧に覆われたときの天気図の例

 日本列島が広く移動性高気圧に覆われたときの天気図の例。高気圧の中心を間隔の開いた等圧線が同心円状に取り囲む。移動性高気圧の東側は快晴域でここが狙い目。それに対し、西側は薄い雲が広がってくる。
 過去60年の統計では、皆既月食の日1月10日にこの冬型の気圧配置になる確率は15%。

移動性高気圧のとき雲量分布の合成図 ● 移動性高気圧に覆われたときの雲量分布の合成図

 月食のある1月10日が移動性高気圧の気圧配置になったことは、過去40年間で4回。このときの朝9時の雲量分布を合成したのが右の図だ。
 一般に移動性高気圧に覆われたときは全国的に晴れの天気になるが、雲量分布の合成図を見ると、それほど雲量が低くなっていない。
 これは、1. 移動性高気圧の東側は晴天だが西側は薄い雲がかかること、2. 北海道方面で冬型に近い気圧配置になる場合が多いこと、3, 移動性高気圧に覆われている期間が短く、冬型が緩むとすぐ次の低気圧の雲がやってきてしまうこと、4. 合成した事例数が4例と少ないこと、などが関係していると思われる。

 

2000年1月29日9時の雲画像 2000年1月10日9時の雲量分布
   

● 移動性高気圧のときの雲画像(左)と雲量分布図(右)
 ここでは、典型的な移動性高気圧の気圧配置となった、2000年1月29日9時の例を取り上げた。右の雲量分布図をみると、これまで挙げてきた中で、もっとも雲量が少ないことを示す赤い面積の部分が陸地で多く、全国的に晴れの地点が多いことがわかる。

雲画像はすべて、東京大学生産技術研究所高木研究室の Satellite Image Archive for Network より。

 

● まとめ: 移動性高気圧の場合
・ 移動性高気圧の東側で快晴。
・ 西側は薄く雲がかかる。

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