【訃報】ジョン・グレンさん 地球周回軌道を飛行した初のアメリカ人

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12月8日、元宇宙飛行士のジョン・グレンさんが亡くなった。享年95。グレンさんは1962年、アメリカ人宇宙飛行士として初めて地球周回軌道を飛行。1998年には、77歳という史上最高齢でスペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗し、最高齢の宇宙飛行士となった。

【2016年12月14日 NASA (1)(2)

12月8日、元宇宙飛行士で上院議員だったジョン・グレンさんが亡くなった。享年95。グレンさんは、米国初の有人宇宙飛行ミッション「マーキュリー計画」のため1959年にNASAが選抜した7名の宇宙飛行士「マーキュリー・セブン(Mercury Seven)」の一人で、1962年2月20日にアメリカ人初の地球周回飛行を行った。

宇宙服を着用したジョン・グレンさん
初宇宙飛行を前に宇宙服を着用したジョン・グレンさん(提供:NASA)

グレンさんは、マーキュリー計画の宇宙船「フレンドシップ7」で地球を3周し、アメリカの有人飛行の輝かしい歴史を飾った。初飛行では、自動制御システムの機能停止や宇宙船の耐熱シールドの緩みなど極めて深刻な問題が発生したものの、グレンさんは見事にそれらに対処し、無事に地球へと帰還した。

さらに、初の宇宙飛行から36年後の1998年10月29日には、スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗し、77歳にして2度目の宇宙飛行を行った。77歳の宇宙飛行は史上最高齢であり、36年ものインターバルを置いて再び宇宙へ飛び立った宇宙飛行士は、これまでグレンさんだけだ。2度目のフライトの目的は、宇宙飛行が高齢者にどのような影響を及ぼすかを調べることにあった。

ジョン・グレンさんの死去に際して、オバマ大統領は声明を発表。その中で「アメリカ初の宇宙飛行士の最後の一人が我々のもとを去ることで、米国民は崇敬の対象を、私と妻は友を失った。ジョンはその人生を通じて、多くの壁を破り続けてきた。そして、今後火星や、さらにその先の宇宙を訪れるだけでなく、滞在するであろう宇宙飛行士たちや、それに携わる多くの科学者や技術者を勇気づけてきた」と哀悼の意を示した。

グレンさんとオバマ大統領
2012年5月、ホワイトハウスで行われた自由勲章授与式にて。(左)グレンさん、(右)オバマ大統領(提供:NASA/Bill Ingalls)

グレンさんの写真と花環
ケネディ宇宙センター内に飾られたグレンさんの写真と花環(提供:NASA/Kim Shiflett)

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