国際宇宙ステーションが地球10万周

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1998年に建設が開始され2011年に完成した国際宇宙ステーションが5月16日、地球周回10万回を迎えた。

【2016年5月20日 NASA

国際宇宙ステーション(ISS)は、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本の15か国の協力により高度400km上に建設された、大きさ約108.5m×72.8m、重さ約420tの巨大な人工建造物だ。

本格的にISS建設の取り組みが始まったのは1982年で、1998年に建設がスタートした。その後、40回以上に分けて構成要素が打ち上げられ、宇宙空間で組み立てられ、2011年7月に完成した。その間、2000年11月からは宇宙飛行士3名の長期滞在も開始しており、2009年5月からは6名体制になっている。

そのISSが5月16日、建設スタートから17年で地球10万周を達成した。総飛行距離は42億km以上にもなり、これは地球から火星を10往復できる距離に相当する。

ISS地球10万周の記念動画(提供:NASA)

この17年間、10万周の間に、ISSでは2000件近くの実験が行われてきた。微小重力下における人体や動物、植物への影響を調べたり、物理実験を行ったり、天体観測や人工衛星の放出を実施したりと内容は非常に多岐にわたっている。また、宇宙飛行士がISSから撮影した大地やオーロラなどの美しい画像も、実験ではないものの大きな成果物だ。

これまでにISSを訪れた人数は現在滞在中の者を含めて222人となっており、日本人宇宙飛行士としては若田光一さん、野口聡一さん、古川聡さん、星出彰彦さん、油井亀美也さんが長期滞在した。来月からは大西卓哉さんが、また来年には金井宣茂さんが滞在予定である。

ISSは約90分で地球を一周しており、ときおり夕空や明け方の空で明るい光の点が動いていく様子を見ることができる。目視予想情報はJAXAのウェブページなどで調べられるので、ぜひ眺めてみよう。