板垣さんたち5人がさそり座に新星を発見

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山形県の板垣公一さん、群馬県の小嶋正さん、静岡県の西村栄男さん、愛知県の山本稔さん、三重県の中村祐二さんが9月15日、さそり座に11等前後の新星を発見した。

【2019年9月18日 VSOLJニュース

著者:前原裕之さん(国立天文台)

天の川の近くにあるさそり座にはこれまでも多数の新星が発見されていますが、9月15日に新たな新星がさそり座λ星シャウラのやや北に発見されました。

新星を発見したのは、いずれもこれまでに新星をはじめとする多数の新天体を発見されてきた、板垣公一さん、小嶋正さん、西村栄男さん、山本稔さん、中村祐二さんです(順番はTOCPへの掲載順)。

板垣さんは9月15.4247日(世界時、以下同。日本時では19時10分ごろ)、小嶋さんは15.412日(日本時18時50分ごろ)、西村さんは15.442日(日本時19時35分ごろ)、山本さんは15.4237日(日本時19時10分ごろ、板垣さんの約1分半前)、中村さんは15.4203日(日本時19時5分ごろ)に撮影した画像から、それぞれ独立に11等ほどの新天体を発見しました。

板垣さんの観測によると、この天体の位置は以下のとおりです。

赤経  17h37m09.53s
赤緯 -35°10′23.4″(2000年分点)

確認観測画像
確認観測画像(撮影:板垣さん)

さそり座の新星の位置
さそり座の新星の位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

ASAS-SNの観測によると、この天体は9月13.138日には14.6等よりも暗かったものの、発見前日の14.137日には13.4等、14.884日に13.1等と、既に明るくなり始めていたことがわかりました。

チリのセロ・トロロ天文台の口径4.1mSOAR望遠鏡を用いて行われた分光観測から、この天体のスペクトルにはP Cygプロファイルを持つ幅の広い水素のバルマー系列や中性酸素、1階電離した鉄の輝線が見られることがわかり、この天体が古典新星であることが確認されました。