日食ソフト「エクリプスナビゲータ」用日食要素を公開、2月26日パタゴニア・南大西洋・アフリカ金環の月縁補正に対応

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日食シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ Ver.2.5」用日食要素データを無償公開しました。2017年2月26日にパタゴニア(南アメリカ)~南大西洋~アフリカで見られる金環日食を、月縁形状を補正して正確に再現します。

【2017年2月10日 アストロアーツ

2月26日(世界時、日本時間では26日深夜から27日未明)、今年最初の日食である金環日食が南米からアフリカ南部にかけて見られます。金環食帯は太平洋上で始まり、南アメリカのチリ、アルゼンチンを通り大西洋を渡ってアフリカ南部のアンゴラに上陸し、アフリカ内陸部で日没となります。

2月26日金環日食
2月26日金環日食が見られる地域(黄線内)。南米の西沖から大西洋を経てアフリカ南部で日没となる。エクリプスナビゲータで表示。クリックで拡大

日食シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ Ver.2.5」は、国立天文台が公開している最新の日食要素(ベッセル要素)を用いて食の計算を行います。月縁の形状の影響を補正する機能も搭載されており、高い精度での接触時刻の計算、またダイヤモンドリングやベイリーズビーズの再現を行うことができます。

今回のデータ更新では、以下の3地点での月縁プロフィールを考慮した時刻補正データを配信します。

観測地 経緯度(世界測地系)
食分最大地点(Greatest Eclipse) 西経31度09分34秒、南緯34度39分49秒
コジャイケ(チリ) 西経72度16分52秒、南緯45度29分23秒
ルシラ(アンゴラ) 東経12度33分24秒、南緯13度56分31秒

チリ・コジャイケでのシミュレーション
チリ・コジャイケでのシミュレーション。日食帯地図や時刻表、天空表示、連続表示など、多角的に日食現象をシミュレーションできる。クリックで拡大

以下の手順でデータの更新を行ってください。データ更新の方法などに関してご不明な点は、サポートページを参照のうえ、不明な点は左記ページからお問い合わせください。

※今回公開した日食要素は国立天文台の相馬充氏によるもので、日本の月探査機「かぐや」の地形データを使って計算した月縁の形状を含んでいます。

〈最新の「アップデータ」のインストール〉

ご注意:データ更新の前に、必ず最新の「アップデータ」をダウンロードの上、インストールしておいてください。バージョンが2.5bより古いと、追加した日食要素が表示されません。アップデータバージョンの確認は、「ヘルプ」メニュー→「エクリプスナビゲータについて」から表示される「バージョン情報」ウィンドウで行えます。「(2.5cアップデータ)」と表示されていれば最新状態です。

〈データ更新の手順〉

  1. エクリプスナビゲータを起動し、「設定」メニュー → 「データ更新」で「データ更新」ダイアログを表示します
  2. 「更新をスキャンする」をクリックして、更新データの有無をチェックします
  3. 「更新できるデータ」一覧に、「2017年パタゴニア・南大西洋・アフリカ金環日食」という項目名の計4個のデータが表示されます。項目名左端のチェックをオンにして、「更新を実行する」をクリックします
  4. 「日食要素」メニューに各日食要素が新しく追加されますので、観測地に合わせていずれかを選んでお使いください

〈エクリプスナビゲータについて〉

「エクリプスナビゲータ Ver.2.5」は、日食にかかわるあらゆる現象を高精度に計算、グラフィック表示する日食観測統合専用ソフトです。詳しくは製品ページをご参照ください。

エクリプスナビゲータご購入ページへ

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天文雑誌「星ナビ」で、日食画像研究会の塩田和生さんによる連載「日食を撮る」がスタート。第1回掲載の3月号では、8月21日のアメリカ横断皆既日食を中心に「日食時の光景と日食撮影のトレンド」について紹介しています。ぜひご参照ください。

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