探査機ロゼッタがとらえたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

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【2014年5月20日 ヨーロッパ宇宙機関

欧州の探査機「ロゼッタ」が、目標天体であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星をとらえた。彗星はすでに活動を開始し、放出した塵とガスの大気(コマ)が見られる。


ロゼッタがとらえたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

探査機「ロゼッタ」がとらえた3月27日〜5月4日のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(9コマを連続再生)。左上はへびつかい座の球状星団M107。クリックで拡大(提供:ESA/Rosetta/MPS for OSIRIS Team MPS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA)

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)に向かって飛行中の探査機「ロゼッタ」が、その彗星活動を早くもとらえた。画像は、3月27日から5月4日までの写真をつなげたものだ。この期間中、ロゼッタから彗星までの距離は500万kmから200万kmに縮まり、また彗星から太陽までの距離も6億4000万kmから6億1000万kmまで近づいた。

アニメーションでは、彗星がじょじょに明るくなり、周囲1300kmにコマがひろがるようすがわかる。コマは太陽熱であたためられて放出された氷や塵が彗星核を覆う、大気のようなものだ。これから彗星がさらに太陽に接近すると、彗星らしい長い尾も見えてくるだろう。

彗星核は画像では見えないが幅4kmほどで、明るさの変化からその自転周期は12.4時間(12時間24分)と求められた。これは従来の計算よりも20分短い。

ロゼッタは8月にこのコマの中に入り、彗星とのランデブー飛行を開始する。着陸機フィラエによる史上初の彗星核探査などにより、活発化していく彗星のようすを現地で詳しく調査する予定だ。

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探査機「ロゼッタ」の位置と航路

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」では、「ロゼッタ」など主な探査機22機の設定日時における位置や航路を表示することができます。