幸運の風で生きながらえた火星探査車オポチュニティ

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【2014年4月23日 NASA

今年初めに火星着陸10周年を迎えた探査車「オポチュニティ」。風で太陽電池パネルに積もった塵がきれいに吹き払われ、パワーアップしてミッションを続行中だ。


再びきれいになったオポチュニティの太陽電池パネル

3月下旬、再びきれいになったオポチュニティの太陽電池パネル。アームを伸ばして撮影した画像をパノラマ合成している。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/Cornell Univ./Arizona State Univ.)

火星で6回目の冬を迎えているNASAの探査車「オポチュニティ」の自分撮り画像が公開された。今年1月の画像と比べると、太陽電池パネルに積もっていた塵が風できれいに吹き払われているのがわかる。

地球に住む私たちと同様、太陽電池で動く探査機にとっても太陽光は重要なエネルギー源だ。火星で初めて水の氷を検出した着陸機「フェニックス」は太陽電池パネルに塵が積もったために、またオポチュニティの双子機「スピリット」は砂地にはまって太陽の方を向けなくなったために電力不足となり、それぞれ運用終了を余儀なくされている。今回吹いた風によって太陽光を存分に浴びられるようになったオポチュニティは、まさに息を吹き返したのである。

発電能力が上がり、得られる電力は1月の375W未満から4月中旬には620Wにまで増加した。パワーアップしたオポチュニティは、冬の間「Murray Ridge」と呼ばれる畝状地形を調査し、水が豊富に存在したと考えられる古代の火星の環境を探っていく。

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