生まれたての星の放射で赤く輝く星雲「ガム41」

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【2014年4月17日 ヨーロッパ南天天文台

20世紀半ばにオーストラリアで発見された南天の輝線星雲「ガム41」。その赤い色は、生まれたての星の光が周囲の水素ガスを電離して輝く、いわば「星の誕生現場」の目印でもある。


赤い輝線星雲Gum 41

チリ・ラシーヤ天文台の口径2.2m望遠鏡で撮影したガム41星雲。クリックで拡大(提供:ESO)

南天の星座ケンタウルス座の方向には多くの明るい輝線星雲がある。輝線星雲とは、水素のガス雲から生まれた高温の星々の放射が周囲に残ったガスを電離して赤く輝かせているもので、この赤い色は星の誕生現場の目印ともなる。

画像は7300光年彼方にある星雲「ガム41」で、さらに大きな「ラムダケンタウリ星雲」(または「走るニワトリ星雲」とも)の一部を成している。オーストラリアの天文学者Colin Gumがストロムロ山天文台での観測から発見したもので、Gumが1955年に作成した84個の輝線星雲カタログにも収録されている。

撮影写真では濃い霧のように見えるが、肉眼で見るととても淡く、その赤い色に気づくことはできない。もし人間が星雲の中を通り抜けたとしてもわからないほど実際には希薄なものだ。

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