ダークマター予測と一致する、銀河中心部のガンマ線

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【2014年4月7日 NASA

天の川銀河中心に見られる由来不明なガンマ線のマップが作成された。ダークマターから発生している可能性があり、今後の確認が待たれる。


天の川銀河中心部のガンマ線分布図

天の川銀河中心部のガンマ線分布図。右が由来不明のガンマ線。銀河中心から5000光年の距離まで広がっている。クリックで拡大(提供:T. Linden, Univ. of Chicago)

ダークマター(暗黒物質)は、電磁波で観測できない未知の重力源だ。その有力候補の1つがWIMPと呼ばれる仮想粒子で、このWIMP同士が衝突するとガンマ線が発生し、ダークマターの直接的な証拠として観測されると予測されている。

Dan Hooperさん(米フェルミ研究所)らは、宇宙望遠鏡「フェルミ」で天の川銀河中心部のガンマ線観測を行い、そのうち超新星残骸やパルサーなどの既知のガンマ線源を差し引いたガンマ線マップを作成した(画像)。

すると、由来の不明なガンマ線が銀河中心部から対称に広がっているようすが浮かび上がった。このガンマ線は1〜3GeV(ギガ電子ボルト)のエネルギー範囲でもっとも明るい。ガンマ線スペクトルや明るさ、広がり具合などは、31〜40GeVの範囲の質量を持つダークマター粒子から発生を予測されるものとよく一致しているという。

まだ断言はできないが、ダークマターの兆候を初めてとらえた研究として後に振り返るかもしれないと研究者らは期待している。

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