彗星のように尾をひく系外惑星候補

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【2012年5月28日 NASAMIT

1500光年先に、恒星の熱で蒸発しつつある惑星と思われる天体が発見された。


中心星と惑星のイメージ図

中心星KIC 12557548と、彗星のような尾を作りながら通り過ぎる惑星のイメージ図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

米マサチューセッツ工科大学のSaul Rappaport氏らが、系外惑星探査衛星「ケプラー」の観測から、主星の熱気で蒸発していると思われる惑星候補を発見した。はくちょう座の方向1500光年かなたにある16等星「KIC 12557548」の観測から明らかになったものだ。ケプラーは惑星が恒星の前を横切る時のわずかな減光からその存在を検知するが、この星の光度変化は、周期は規則正しいものの減光量がその都度変わるという不思議なものだった。

この惑星は、太陽系最小の惑星である水星よりやや大きいサイズで、太陽より小さく低温の「KIC 12557548」の周りを16時間弱という非常に短い周期で公転している。主星の直径の2倍ほどしか離れていない軌道にあることから、表面温度は摂氏1,800度近くにまでおよぶと思われる。

昼側は煮え立つマグマの海で、地表は溶けて蒸発し、ガスや塵となって宇宙空間に噴き出す。まるで彗星のようなダストの尾が、減光量の変動を生み出しているのだろうと推測される。このような状態が続けば、惑星は2億年以内に完全に蒸発してしまうということだ。

惑星であるか否かの確認のため、今後の追跡観測が待たれる。

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