宇宙花火も見える? 19日と24日に鹿児島で観測ロケット実験

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【2011年12月19日 高知工科大学 (1)(2)JAXA2012年1月10日更新

12月19日深夜と24日早朝、鹿児島県で観測ロケットによる打ち上げ実験が実施される。19日のS-310-40号機ではラジオ電波の異常伝搬を引き起こすメカニズムの解明を目的とし、24日のS-520-26号機ではリチウム放出により見える赤い発光雲を観測して上空プラズマの物理過程を探る。

(2012年1月10日更新)S-520-26号機の打ち上げは天候不良により延期となっています。現時点での予定は1月12日(木)午前5時51分です。


S-310-40号機実験の概念図

S-310-40号機実験の概念図。クリックで拡大(提供:JAXA)

2007年9月「宇宙花火」実験

2007年9月「宇宙花火」実験の様子。宮崎の観測点で専用カメラで撮影。クリックで拡大(提供:北海道大、高知工科大、JAXA)

鹿児島県のJAXA内之浦宇宙空間観測所で、観測ロケットを用いた2つの打ち上げ実験が行われようとしている。

ひとつ目は19日午後11時0分に打ち上げ予定のS-310-40号機で、ラジオ放送などで使われる中波帯電波の異常伝搬を引き起こす高密度プラズマ領域の発生メカニズムの解明を目的とした実験だ。

高度100km付近の電離圏下部に高電子密度領域が発生して電波の伝搬を妨げている状態であることが打ち上げの条件で、地上からの電波を上空で受信して電子密度などを測定する。

ふたつ目は、「赤い宇宙花火」を地上から観測する、S-520-26号機ロケットによる実験だ。高度約80〜300Kmの熱圏下部でリチウムを放出し、太陽光を受けて赤く光る「発光雲」の時間的な変化を見る(画像2枚目)。それにより上空の中性大気とプラズマ大気の運動を把握し、そこで起こる物理過程を探る。

S-520-26号機は12月24日午前5時10分〜6時10分に打ち上げ予定となっている。

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