宇宙からとらえるラヴジョイ彗星の太陽接近

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【2012年12月16日 NASA

先月末に発見されたラヴジョイ(C/2011 W3)彗星が16日現在、近日点を通過中だ。太陽観測衛星SOHOなどが、尾を引きながら太陽に近づく姿をとらえており、その動向が注目される。


12月14日〜15日のラヴジョイ彗星

尾を引きながら太陽の向こう側に隠れたラヴジョイ彗星(中央左下)。SOHOのLASCO C3が16日0時にとらえたもの。太陽は中心の白丸部分にあり、黒い円は強烈な太陽光を遮って観測するための円盤。クリックで12月14日〜15日の動きをアニメ表示(提供:SOHO/LASCO)

LASCO C2がとらえたラヴジョイ彗星

より狭い範囲を拡大して観測しているC2の視野に現れたラヴジョイ彗星。16日0時24分撮影。クリックで拡大(提供:SOHO/LASCO)

12月12日の既報どおり(参照:「太陽観測衛星SOHOのカメラでラヴジョイ彗星を見よう」)、太陽観測衛星SOHOLASCO(広角分光コロナグラフ)C3の視野に、ラヴジョイ(C/2011 W3)彗星が入り、明るく尾を引く姿が確認されている。16日現在(世界時。日本時間から9時間遅れ。以下同)は近日点を通過中で、太陽(および遮光盤)の向こう側に隠れている。

軌道計算上から言えば17日にはまた姿を現すことになる。太陽表面から12万kmのところを通過するため、熱で蒸発し消滅してしまう可能性が指摘されていたが、消滅せずに生き残った彗星とみられる天体がSDOによってとらえられているようだ。

ラヴジョイ彗星の太陽最接近の様子はSOHOのほか、STEREO、SDO、「ひので」、プローバといった衛星・探査機が撮影しており、それぞれ画像が公開される予定だ。


ステラナビゲータでラヴジョイ彗星の位置と見え方をシミュレーション

ラヴジョイ彗星の見え方をシミュレーションした画像

ラヴジョイ彗星の位置と見え方のシミュレーション。数字は日付(世界時0時)で、12時間ごとの位置を表している。16日0時には太陽の向こう側にある

ステラナビゲータでラヴジョイ彗星がLASCO C3の視野内でどのように見えるかシミュレーションできるスクリプトを、「コンテンツ・ライブラリ」で公開しました。ステラナビゲータ(Ver.8以降)をご利用の方は、「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてご利用ください。