すばる望遠鏡が冷却液漏れ(続報)

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【2011年7月14日 すばる望遠鏡

7月2日に発生したすばる望遠鏡の冷却液漏れに関して、被害状況と復旧見込みについて続報が発表された。少なくとも7月21日までは共同利用観測を停止し、準備ができ次第、ナスミス焦点での試験観測を行う予定であるが、主焦点およびカセグレン焦点の復旧には時間がかかることが予想される。


洗浄後の主鏡の様子

洗浄後の主鏡の様子。冷却液が除去され、目視の限りでは傷なども見られない。主鏡は平面ではないため像がゆがんで見えるが、これが正常である。クリックで拡大(提供:国立天文台)

すばる望遠鏡とその4焦点の概略図

すばる望遠鏡とその4焦点の概略図。試験観測を始めるのは横についているナスミス焦点。主焦点や下にあるカセグレン焦点の復旧には時間がかかりそうである。クリックで拡大(提供:META Corporation Japan #150132)

既にお伝えしているように(2011/7/6ニュース「すばる望遠鏡が冷却液漏れで観測中止」)、7月2日(ハワイ時間)にすばる望遠鏡の主焦点付近から冷却液漏れが発生した。調査の結果、主鏡、主鏡の裏面支持機構部の一部、第3鏡、主焦点周辺光学系システムおよび主焦点カメラ(Suprime-Cam)、カセグレン焦点周辺光学系システムおよび微光天体分光撮像装置(FOCAS)など、ほぼ第1報で速報した範囲に影響が見られた。

特にSuprime-CamとFOCASの2つの観測装置については、装置内部への浸水が確認され、これらを利用している主焦点やカセグレン焦点については、検査・修復に時間がかかる見込みである。

一方、ドーム外部や地面への冷却液の漏れはなく、環境への影響はないとのことであった。漏れ出た冷却液の総量は約700Lと推定される。

現在、すばる望遠鏡の共同利用観測を7月21日まで停止し、復旧作業にあたっている。これまでの復旧作業については、7月4日までに行われた清掃作業に続き、7月6日には第3鏡を、7月7日からは主鏡の洗浄を行い、冷却液の付着を取り除くことに成功した。今のところ鏡表面のコーティングの傷みは確認されておらず、今後は反射率など詳細な測定を行う予定である。

今後の見通しとしては、主鏡の洗浄や駆動試験、必要に応じて洗浄を行い、第3鏡を用いたナスミス焦点での試験観測を行う予定である。先述のように主焦点やカセグレン焦点を利用した観測については今のところ目処が立っていない。

すばる望遠鏡は、標高4,200mのハワイ島マウナケア山頂に建設され、1999年に観測開始した。口径8.2mの主鏡は、単一鏡としては世界最大級を誇る。