彗星探査機「ロゼッタ」、2014年までしばし冬眠へ

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【2011年6月9日 ヨーロッパ宇宙機関

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」が、2014年にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)に接近するのに備えて節電のために冬眠モードへと入る。


(探査機「ロゼッタ」のイメージ図)

探査機「ロゼッタ」(左)と着陸機(右)のイメージ図。クリックで拡大(提供:ESA)

(探査機「ロゼッタ」に搭載されている着陸機のカメラから撮影した火星の画像)

2007年の火星スイングバイの際、搭載されている着陸機のカメラから撮影した火星。クリックで拡大(提供:CIVA / Philae / ESA Rosetta)

探査機「ロゼッタ」は彗星の探査を目的として2004年に打ち上げられた。2014年に目的地であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)に接近し、世界で初めて彗星に着陸機を投入する予定となっている。

ロゼッタは現在太陽から6億6000万km離れたところを航行中で、太陽の光が弱すぎるために間もなく機器を常時動かしておくことができなくなってしまう。そのため姿勢をより安定させるようにスピンの回転速度を落とし、搭載しているコンピューターと一部のヒータを残して、通信や姿勢制御も含めたほとんどの機器の電源を落として冬眠モードへと入る。

この冬眠は31ヶ月にも及ぶ。探査機に搭載されているタイマーによって2014年1月に再び電源が入り、通信が復活する予定だ。

ロゼッタはこれまで1回の火星スイングバイと3回の地球スイングバイを成功させ、途中で小惑星ルテティアに接近、観測を行い、成果をあげている。目的地であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星では小型の着陸機を彗星の核に着陸させ、核の詳細な観測や分析を行う。