「はやぶさ」のサンプルコンテナの開封作業が始まった

【2010年6月24日 JAXA

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、24日に小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルの中心にあるサンプルコンテナの開封作業を開始した。作業終了までには1週間ほどかかるとみられている。


(カプセルの断面図)

カプセルの断面図。クリックで拡大(提供:JAXA、以下同様)

(キュレーションセンターでの作業のようす)

NASAと共同で進められているキュレーションセンターでの作業のようす。クリックで拡大

(サンプルコンテナの画像)

サンプルコンテナ。クリックで拡大

今月18日にJAXAの相模原キャンパスに到着した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルは、18日と19日にX線CTスキャンによる非破壊検査が行われ、内部に異常のないことが確認された。

その後、カプセルは分解され、内部からサンプルコンテナが取り出され、コンテナの表面が洗浄された。22日には、本格的な開封を前にコンテナ内部にあった残留ガスの採取が行われた。太陽風や宇宙線の粒子に由来する気体が、サンプルから揮発する可能性があるためである。

このような経緯を経て、24日に、JAXA相模原キャンパス内に設置されたキュレーションセンター(試料の受入、処理、保管を行う施設)でサンプルコンテナの開封作業が始まった。

開封終了までには1週間ほどかかるとみられており、7月以降にサンプルの大きさに応じた方法で回収(採取)が行われる予定だ。ただし、採取の段階ではサンプルが小惑星「イトカワ」のものか地球上でまぎれこんだ物質であるかはわからない。

サンプルの初期分析の開始は8月以降の予定となっている。必ずしもこの段階でサンプルがイトカワのものであるかどうかを確定できるわけでないが、JAXAではイトカワ起源のサンプルが識別でき次第発表を行うとのことである。

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