南米チリの巨大地震、地球の自転に影響か

【2010年3月5日 NASA JPL

現地時間2月27日(日本時間同日)に南米チリで発生した巨大地震が地球の自転に及ぼした影響をコンピュータで計算した結果、地球の1日が100万分の1.26秒(0.00000126秒)ほど短くなり、地軸が8cmほど移動したことが示された。


(NASAの地球観測衛星「テラ(TERRA)」がとらえた地球の画像)

NASAの地球観測衛星「テラ(TERRA)」がとらえた地球(提供:NASA)

NASAのジェット推進研究所の研究者Richard Gross氏は、2月27日に南米チリで発生した巨大地震(マグニチュード8.8)が地球の自転にどのような変化を及ぼしたのか、コンピュータを使って調べた。

複雑なモデル計算の結果、地球の自転が1日あたり100万分の1.26秒(0.00000126秒)ほど短くなり、地軸が8cmほど移動していたことが示された。

またGross氏は、同じモデル計算を2004年に起きたスマトラ島沖地震(マグニチュード9.1)にもあてはめた。その結果、地球の自転は1日あたり100万分の6.8秒(0.0000068秒)ほど短くなり、地軸が7cmほど移動していたことが示された。

スマトラ島沖地震に比べると規模の小さかったチリの地震が、なぜ地軸をより大きく移動させたのかについて、Gross氏は2つの理由をあげている。

第一の理由は、スマトラ島沖地震が赤道付近で発生したのに対し、チリの地震は中緯度で発生したために、地軸への影響が大きかったということだ。そして2つ目には、チリの地震を引き起こした断層が、スマトラ島沖地震のものに比べてやや急な角度で地球の内部に向かって落ち込んだためと説明している。

Gross氏によれば、今後より詳しい地震のデータが発表されれば、彼の解釈にも修正が加わるだろうと話している。