スピッツァーがとらえた銀河の目

【2009年8月3日 Spitzer Newsroom

NASAの赤外線天文衛星スピッツァーが渦巻き銀河NGC 1097をとらえた。超巨大ブラックホールが、銀河の中心部を瞳のように輝かせている。


(銀河NGC 1097の画像)

銀河NGC 1097。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

渦巻き銀河NGC 1097は、ろ座の方向約5000万光年の距離に位置している。銀河の中心に位置しているのは、超巨大ブラックホールとそのまわりをリング状に取り巻く星である。外側の領域から物質が流れ込んでいるために爆発的な星形成が進んでおり、明るく輝いている。

天の川銀河の中心に存在するブラックホールは太陽質量の数百万倍もあるが、NGC 1097のそれは太陽の約1億倍と、モンスター級である。このブラックホールの活動は、今後静かになり、やがて天の川銀河のブラックホールのように休眠状態になると予測されている。

画像中左側、腕の間に見える輪郭のぼやけた青い天体は、伴銀河である。果たして、この伴銀河がNGC 1097に穴を開けるようにして突き抜けてきたのか、それとも偶然に腕の間にある隙間に位置しているのかは、よくわかっていない。