衛星観測による最高精度地形データ、公開

【2009年7月2日 経済産業省

経済産業省が開発したセンサーをNASAの地球観測衛星に搭載して取得した地形データが無償で一般公開された。分解能は30mで、地球の陸域全体をカバーしたデータとしては世界最高。


(アスターのデータから作成されたヒマラヤの氷河の画像)

ヒマラヤ山脈の氷河。アスターが取得した高度と色のデータを組み合わせて作成。クリックで拡大(提供:NASA/METI)

経済産業省とNASAは、世界最高精度の全球3次元地形データ「ASTER GDEM」の無償提供を6月29日から開始した。

ASTER GDEMは、経済産業省が開発した資源探査用光学センサー「アスター(ASTER)」のデータをNASA及び米国地質調査所と共同で解析して得られたデータ。アスターは1999年12月に打ち上げられたNASAの地球観測衛星「テラ(TERRA)」に搭載され、現在も観測を続けている。2台のカメラで地形を立体撮影することができ、100万組を超える画像ペアからASTER GDEMが作られた。

ASTER GDEMは地球の陸域をほぼすべてカバーしていて、分解能は30m(30mおきに高度のデータが存在する)。現在もっとも使われている、スペースシャトルによる3次元地形データ(分解能90m)を上回る精度だ。

今後ASTER GDEMが全球3次元地形データの世界標準となり、気象や地質などのデータと組み合わせることで、資源開発・管理、自然災害のシミュレーションなど、さまざまな分野で活用されることが期待されている。

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