記録的規模のガンマ線バーストを観測

【2009年2月20日 NASA

NASAのガンマ線天文衛星フェルミが、超新星爆発約9000個分以上という大きなエネルギーを放つガンマ線バーストを観測した。


(発見されたパルサーの位置を示した画像)

NASAのガンマ線バースト(GRB)観測衛星スウィフトが観測した、GRB 080916CのX線残光。クリックで拡大(提供:NASA/Swift/Stefan Immler)

ガンマ線天文衛星フェルミは、2008年9月15日午後7時13分(米国東部時間)に、りゅうこつ座の方向で発生したガンマ線バースト「GRB 080916C」を観測した。

ガンマ線バーストは、宇宙で起きる最大規模の爆発現象である。その多くは大質量星が重力崩壊を起こしてブラックホールが生まれるときに伴うものだと考えられている。放出されるジェットの速度は光速に近く、爆発前に星が放出したガスと作用するため、爆破後もさまざまな波長の電磁波でしばらく残光が見られる。

独・マックス・プランク研究所のJochen Greiner氏が率いるチームは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の2.2m望遠鏡に搭載された検出器GROUNDを使ってGRB 080916Cの残光を観測し、ガンマ線バーストが122億光年の距離で起きたことを明らかにした。

また、爆発のエネルギーは、全方向へ均等に広がったと仮定すれば、平均的な超新星爆発9000個分以上になること、ジェットとなって噴出したガスの速度は、光速の99.9999パーセントと計算された。どちらもこれまでに観測されたガンマ線バーストとしては最大級だ。