NASA、フェニックスとの交信を断念

【2008年12月4日 JPL

11月中ごろ、NASAは火星探査機フェニックスの探査終了を発表した。その後の11月29日、上空を周回するNASAの火星探査機マーズ・オデッセイから、通信復活に望みをかけた信号がフェニックスに送られた。しかし、その呼びかけに応答はなく、NASAは交信復活を断念することとなった。


(フェニックスの想像図)

フェニックスの想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL)

火星探査機フェニックスは、11月2日の通信を最後に活動を完全に停止したとみられ、先月探査の終了が発表された。

フェニックスのプロジェクトチームでは、以後もフェニックスとの交信が復活するかどうか、約1か月間にわたり状況を慎重に見守り続けてきた。

しかし、用意された猶予期間にも、いよいよ最後の日が訪れた。米国西海岸標準時間の11月29日、火星周回探査機マーズ・オデッセイがフェニックスの上空を通過する際に通信を試みたが、フェニックスからの応答が返ってくることはなかった。

フェニックスのプロジェクト・マネージャーで、NASAのジェット推進研究所のChris Lewicki氏は、「通信が途絶えた要因の1つが、変わりやすい火星の天気でしたから、天気がふたたび変わることで、交信復活の時が来るかもしれないと期待していました」と思いを語った。

フェニックスの着陸地点である北極付近は、これからさらに寒くなり、やがて二酸化炭素の氷にすっぽりと覆われる。