地球は先駆者、生命に適した惑星9割の誕生はこれから

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ハッブル宇宙望遠鏡と系外惑星探査衛星「ケプラー」などの観測データを基にした最新の理論研究から、生命が存在しうる惑星のうち9割以上はまだ作られていないという見積もりが発表された。46億年前に誕生した地球は、かなりの先駆者ということになる。

【2015年10月23日 HubbleSite

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)などの観測データによって、100億年前の宇宙では現在よりも速いペースで星が作られていたことがわかっているが、当時使われた星の材料となる水素やヘリウムは全体量から比べるとわずかで、宇宙にはまだ多くの材料が残されている。したがって、未来の宇宙ではこれからも多くの恒星や惑星が誕生する。

一方、「ケプラー」による観測データを基にした見積もりでは、天の川銀河内に10億個もの地球サイズの天体が存在し、そのうちの相当数が岩石惑星であると推測されている。現在観測可能な銀河が1000億個以上あることを考えれば、宇宙全体には膨大な数の地球型惑星があると考えることができる。

今後誕生するであろう地球のような無数の惑星の想像図
今後誕生するであろう地球のような無数の惑星の想像図(提供:NASA, ESA, and G. Bacon (STScI))

この2つをあわせて考えると、ハビタブルゾーンに位置する(生命の誕生や発展が可能な)地球サイズの惑星は今後無数誕生する可能性があるといえるだろう。宇宙最後の星は、今から100兆年後でさえ燃え尽きることがないと考えられている。そのような気が遠くなるような長い時間経過のうちには、文字通りあらゆることが起こり得るだろう。

そうした宇宙の過去未来において太陽系や地球は先駆者(あるいは古参)ということになるが、宇宙進化の初期に誕生したわたしたち人類の強みは、HSTのような強力な望遠鏡を使って、宇宙の起源をビッグバン後間もない過去にまでさかのぼれる点にある。ビッグバンの名残や宇宙進化の痕跡は、光や電磁放射の形で残されており、現在は観測が可能だ。しかし1兆年後には、宇宙の加速膨張により、それらはかき消されてしまう。

遠い将来誕生する文明は、宇宙がどのように始まり、どのようにして進化してきたのかすらわからない、証拠無き宇宙を見ることになるのだろう。

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