中高生53件の発表がずらりと並ぶ第10回ジュニアセッション

【2008年3月21日 日本天文学会ジュニアセッション

10回目となる日本天文学会ジュニアセッションは、過去最多の53件の発表がある。中学生・高校生が熱心に取り組んできた研究成果を披露する恒例の晴れ舞台だ。2008年3月25日、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される。


(2007年のジュニアセッションの様子)

写真は昨年の聴衆席。発表を聞くほうも真剣だ(撮影:大川拓也)

3月25日(火)、日本天文学会の2008年春季年会において、ジュニアセッションが開催される。ジュニアセッションは中学生や高校生が天文学に関する活動を発表する場として2000年から始まったもので、今年で10回目。年々盛大なものとなっており、今回は過去最多となる53件もの発表がエントリーされている。

内容は毎回、草の根的なものからプロの研究者をうならせる高度なものまで、ジャンルもレベルも幅広く、ユニークな着想の取り組みも多い。参加する学生にとっては、他の学校の生徒と交流するきっかけや、研究者からコメントをもらえる機会としても貴重で、クラブ活動として積極的に参加する学校も増えてきている。53件という発表件数だけ見ても、第1回の17件と比べると3倍以上の規模になっている。

今回の発表形式はポスター発表がメインで、掲示物を見ながら研究内容について質問をしたり、発表者と議論したりすることもできそうだ。口頭発表はジャンル別に12のセッションが設けられ、時間を区切って行われる。内容は、流星、彗星、小惑星、月・惑星、太陽、恒星、きみっしょん(君が作る宇宙ミッション)、タイセッション(タイの学生による発表)、銀河系、銀河、観測機器等、光害と多岐にわたる。

ジュニアセッションは日本天文学会の会員でなくても入場することができる。発表内容の予稿はジュニアセッションのホームページに掲載されている。

開催概要は以下のとおり。

第10回日本天文学会ジュニアセッション

主催:
日本天文学会
共催:
天文教育普及研究会
後援:
日本惑星協会
日時:
2008年3月25日(火) 10時〜17時
会場:
国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
口頭発表:
F会場(センター棟4階417) 10:00〜12:00、14:00〜16:00
ポスター会場:
国際交流棟 13:00〜13:50、16:10〜17:00
交通:
小田急線「参宮橋駅」から徒歩約7分、
または東京メトロ千代田線「代々木公園」駅4番出口から徒歩約10分
車の乗り入れは不可

発表タイトル一覧

  1. HROを用いた主要流星群の調査【巣鴨学園地学班】
  2. 流星電波観測(HRO)のエコー音周波数について【那須高原海城高等学校 特別講座「天文学入門」】
  3. 2007年のペルセウス座流星群について【星野高校天文部】
  4. 流星の多点観測と明るさの変化【青森県立青森南高等学校自然科学部】
  5. 流星群による月面衝突発光の観測【六甲高校・中学】ほか
  6. 彗星の正体【同志社高校】ほか
  7. ホームズ彗星のアウトバーストを追いかけろ!【長野工業高等専門学校】
  8. P17ホームズ彗星の研究【慶應義塾高校地学研究会】
  9. ホームズ彗星を追って【愛知県立一宮高等学校地学部】
  10. 国際小惑星探索キャンペーンに参加して【鹿児島県立鹿屋高等学校】ほか
  11. トロヤ群小惑星デイフォブスの断面【愛知県立一宮高等学校地学部】ほか
  12. 小惑星の形状をライトカーブ(光度変化)より求める【福岡県立小倉高等学校 SS天文研究会】
  13. 小惑星イトカワの地形再現実験【成蹊高校天文気象部】
  14. 水瓶座σ星の星食から求めた月の諸量〜2007年8月28日の皆既月食【磐田南高校地学部天文班】
  15. 分光観測で求めた地球照の正体【埼玉立越谷北高等学校 天文気象部】
  16. 惑星のスペクトル観測【福岡県立小倉高等学校 SS天文研究会】
  17. 電波望遠鏡の製作と木星電波の検出【静岡県立磐田南高校地学部天文班】
  18. 紫外線と水による鉄・隕鉄の変化【大田区立南六郷中学校宇宙科学部】
  19. 黒点から求める太陽の自転速度【武蔵野女子学院高等学校】
  20. 太陽の差動回転検出の試み【京都府立洛東高校】
  21. 太陽電波を捉えろ2【水戸二高地学部】
  22. 太陽の自転周期の測定【京都市立塔南高校】
  23. 恒星の物理的観測【岡山県立玉島高校】
  24. 矮新星V455 Andの測光観測【京都府立洛東高校】
  25. 大質量星生成領域W49N,W51Mからの水メーザー長期間電波モニター観測【岩手県立水沢高等学校科学部】
  26. 食変光星のライトカーブと解析【愛知県立一宮高等学校地学部】ほか
  27. 新メーザー天体を探せ!〜 Z星研究調査隊からの報告 〜【盛岡一高】ほか
  28. スペース・デブリ除去衛星開発モデル紹介【君が作る宇宙ミッションC班】
  29. 宇宙旅館〜光陽地〜【済美高校】ほか
  30. 火星発(初!?)の米 「テツノダイチ」―移住のための第一歩―【啓明学園】ほか
  31. 金星とエウロパの生物探査〜HELLO異星人!!〜【岐阜高校】ほか
  32. bservation of the 2007 Outburst of Comet 17/P Holmes【Chulalongkorn University Demonstration School, Thailand】
  33. Stellar initial mass function from population of open clusters.【Princess Chulabhorn’s College Chiangrai, Thailand】ほか
  34. SMC distance estimation using Cepheid variables.【Piliyalai School, Thailand】
  35. A search for long-period variable stars in LMC【Bangkok Christian College, Thailand】
  36. A comparative study of Cataclysmic Variable luminosities in Milky Way and M31.【Suksanari School, Thailand】
  37. トランジット法によるTrES-3の観測【慶應義塾高等学校】ほか
  38. 太陽系は星団に属しているのか【岐阜県立恵那高等学校】ほか
  39. 惑星状星雲NGC 6543の空間分布について【宮城県第二女子高等学校】
  40. 高銀緯分子雲複合体MBM53.54.55領域周辺のHI輝線観測【宇部高等学校】
  41. evolution of open clusters II【宮城工業高等専門学校】ほか
  42. HR図から散開星団の距離を求める【慶応義塾高校】
  43. 私たちの銀河を知るために〜天の川銀河の回転速度の計測〜【兵庫県立大学附属高校】
  44. 様々な銀河【長野県木曽高校】ほか
  45. 光のドップラー効果を利用した、銀河までの距離の測定【福岡県立小倉高等学校 SS天文研究会】
  46. 10吋ドブソニアン望遠鏡製作記【米子高専】
  47. 可変焦点式反射望遠鏡の試作【水戸二高】
  48. 金属鏡の研磨【水戸二高】
  49. ケプラー方程式を実装したJAVAによる太陽系シミュレータ【早稲田大学高等学院】
  50. 「ひかりのまち・函館」の夜空の明るさを調べる II【遺愛女子中学高校地学部】
  51. 夜空の明るさについて【巣鴨中学校】
  52. 米子市光害マップ作成を目指した予備調査【米子高専電子制御工学科】
  53. デジタル画像による光害測定と光害の影響を考えた都市構造【東京大学教育学部附属中等教育学校】

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