まだまだ明るいホームズ彗星

【2007年11月15日 アストロアーツ】

先月24日に大バーストを起こし、肉眼等級に達して大きな話題となったホームズ彗星(17P)は、バーストから約3週間経った現在も依然として3等の明るさを保っている。バーストした当時は恒星と見間違えるほど小さかった視直径は、満月ほどの大きさに達しており、肉眼でも広がりがわかるようになってきた。写真では尾も写り始めている。


(12日、13日のホームズ彗星の画像)

12日、13日のホームズ彗星。クリックで全体を表示/撮影者:大熊正美(アストロアーツ)、その他データは画像参照

ホームズ彗星(17P/Holmes)は15日現在、地球からおよそ1.6天文単位(約2.4億キロメートル)離れている。見かけの大きさが満月と同じ程度(30分角)とすると、実際の広がりは200万キロメートルにも達するが、これは太陽(直径約150万キロメートル)よりも大きい。


(ホームズ彗星の位置を示した星図:赤道座標)

ホームズ彗星の位置(ペルセウス座α周辺)。クリックで全体を表示

(ホームズ彗星の位置を示した星図:地平座標)

ホームズ彗星の位置(実際の見え方)。クリックで全体を表示

天球上では、ホームズ彗星はペルセウス座α(アルゲニブ、ミルファク)のすぐそばにあり、一晩中観測することができる。20日にはペルセウス座αとわずか30分角まで接近するので、もしかすると拡散したホームズ彗星とペルセウス座αが重なって見えるかもしれない。この後もゆっくりとペルセウス座を南下していくが、ペルセウス座αやβ(アルゴル)を目印にすると簡単に見つけられるだろう。

ペルセウス座αは2等星で明るく見つけやすいが、もしわからない場合は、カシオペヤ座から探すのが簡単だ。「M」字形に並んだカシオペヤ座の星を、真ん中から右上のほうへ(「Σ」字形に見えるときは左上のほうへ)たどっていくと見つかる恒星がペルセウス座αで、ホームズ彗星はそのすぐ近くにある。双眼鏡やオペラグラスを使えば、大きく広がったボヤっとした彗星の姿をとらえることができるだろう。位置がわかれば、多少の街明かりや月明かりがあっても、肉眼でも見つけられるかもしれない。

今後、明るさや大きさがどのように変化していくのか、引き続き注目したい。また、ホームズ彗星(17P)投稿画像ギャラリーには連日のように多くの画像が投稿されている。明るさや大きさが変化していくようす、尾やジェット構造、地上風景とのコラボレーションなど、さまざまな角度から彗星がとらえられているので、多彩な画像をぜひご覧いただきたい。


《ステラナビゲータで彗星の見え方をシミュレーション》

(ホームズ彗星とカメラの画角を示した星図)

ホームズ彗星とカメラの画角を示した星図。クリックで拡大

ホームズ彗星(17P)の位置を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して確認できます。ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

また、今月注目の彗星を手軽に星図に表示するスクリプトを「コンテンツ・ライブラリ」で公開しています。ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードし、実行してください。