火星探査機「フェニックス」飛び立つ、北極付近への着陸目指し

【2007年8月6日 NASA News Release

米国東部夏時間8月4日午前5時26分(日本時間4日午後6時26分)、NASAの火星探査機「フェニックス」の打ち上げが成功した。2008年5月25日に火星の北極付近に着陸する予定だ。


フェニックス打ち上げのようす

米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からデルタIIロケットで打ち上げられるフェニックス。クリックで拡大(提供:NASA)

「今日の打ち上げは火星の地表を目指す長い旅の第一歩です。私たちは打ち上げが成功したことに興奮していますが、それでもまだ着陸のことが気がかりです。このミッションで一番困難なステップですから」

フェニックスの打ち上げ成功後、フェニックスの主任研究員で米アリゾナ大学月惑星研究所のPeter Smith氏はこう語った。というのも、NASAは1999年12月に探査機「マーズ・ポーラー・ランダー」の火星南極付近への着陸に失敗しているからだ。この事件のため、2001年に予定されていた次の火星着陸探査機も中止されていた。計画は「フェニックス」と名を変え、2003年に再始動、ついに打ち上げをむかえたのである。

順調にいけば、フェニックスは2008年5月25日に火星の北極付近に着陸し、初めて水の氷に触れる火星探査機となる。それはマーズ・ポーラー・ランダーの失敗から8年半後。2001年以降次々と火星探査機が送り込まれ、新発見が相次いでいる。それでも、いや、だからこそ、水に直接触れるフェニックスに期待される役割は重要だ。

Smith氏はこう指摘する。「水は、火星についてどんな研究を行うにしても、中心的な関心事なのです」