7月30日 土用の丑

【2007年7月19日 アストロアーツ】

梅雨が明けて夏らしい季節が到来するころ、気になる行事の1つが「土用丑の日(どよううしのひ)」だ。2007年は7月30日が土用丑の日。うなぎを食べる習慣が始まったのは江戸時代からで、由来には諸説あるが、「土用」も「丑の日」もさらに昔から続いている暦(こよみ)の用語である。

「土用」は、春夏秋冬に加えられた「第5の季節」のような存在だ。古代中国で発祥し東洋に広まった世界観に、世の中のすべては「木・火・土・金・水」からできているという「五行説」がある。季節もこれに当てはめようとしたが、「四季」を5つに分割するのは困難。春=木、夏=火、秋=金、冬=水と割り振ったが、土が余ってしまった。そこで、各季節で最後の18日間を「土」の季節として、合計72日を「土用」と呼ぶことにしたのだ。「土用丑の日」の「土用」は、夏と秋の間の土用で、具体的には立秋直前の18日間を指す。

一方、「丑の日」は十二支から来ている。今では「丑年」のように年に割りふられることがほとんどだが、かつては月や日付を示すことにもよく使われていた。丑の日は12日に1度やってきて、それが土用にやってくれば、「土用丑の日」ということになる(もちろん、春秋冬の土用にも土用丑の日はある。また、(夏の)土用丑の日が2回やってくる年もある)。

かつては暦の決め方にもいろいろな規則があったが、現代では伝統的行事の日付は、単純に太陽の位置(「天文の基礎知識」参照)と結びついていることが多い。夏の最後に土用が始まるのは太陽黄経117度のとき(今年は7月20日)で、立秋(秋の始まり)は太陽黄経135度(同8月8日)。十二支は昔からの順番に単純に当てはめるだけで(天体の動きとは関係ない)、今年の夏の土用は7月30日と決まる。

<参照>