10等級のレビー彗星が出現

【2006年10月4日 IAUC 8757】10月23日更新

デイビッド・H. レビー(David H. Levy)氏が土星の近くに彗星を発見し、この新彗星に C/2006 T1 (Levy) の認識符号が与えられた。


新彗星C/2006 T1 (Levy) は、デイビッド・H. レビー(David H. Levy)氏が口径41cm反射望遠鏡によって、土星の近くに拡散状の天体として発見された。発見後、NEO Confirmation Page(地球近傍天体の確認ページ)に掲載された位置から、他の観測者が追跡を行い、彗星であることが確認された。

ハンガリーのK. Sarneczky氏が最初に観測を行ったのは、10月3.13〜3.14日(世界時、以下同様)。そのCCD画像から彗星は15等級、中央集光のあるコマの視直径は1分角と報告した。また、米ニューメキシコ州のA. Hale氏による口径41cm反射望遠鏡を使った10月3.47日の眼視観測では、全光度9.8等、コマは2.5分角と報告している。

日本国内の観測では、新潟県の村上茂樹氏より、口径46cmの反射望遠鏡を使った捜索中、10月3.79日(日本時4日早朝)に光度9.5等で、5分角のコマを持つ彗星としてこの天体の存在に気が付いたという報告があった。また、山口県の吉本勝己氏は口径25.4cmの望遠鏡を使用し、10月3.81日に9.8等で観測した。

なお、国際天文学連合回報(IAUC)8757で、この彗星の暫定的な放物線軌道が発表されている。

レビー彗星は今後少しずつ暗くなるが、10月は明け方の低空に10等級の彗星として、しし座の付近を南東方向に移動する。

《彗星の暫定軌道要素》10月23日更新分

近日点通過(T)2006年10月7.43701日
近日点距離(q)0.9894704 AU
離心率(e)0.6719229
近日点引数(ω)179.46148 度
昇交点黄経(Ω)279.80563 度
軌道傾斜角(i)18.32246 度

参照

  • IAUC 8757: COMET C/2006 T1 (LEVY) (2006 Oct 4)

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