情報トピックス(2006年4月)

国内のさまざまなメディアで取り上げられた天文ニュースや天文分野の最新書籍などを紹介しています。記事の詳細については各リンク先を参照してください。なお、投稿画像は天体画像ギャラリーに掲載しております。ぜひご覧ください。

2006/04/24

天文関連書 新刊情報

宇宙の灯台(EINSTEIN SERIES) パルサー
柴田晋平著 恒星社厚生閣
3300円 A5判 172p
ISBN 4-7699-1031-2

「きらり」のリアクションホイール4台すべてが正常に

光衛星間通信実験衛星「きらり(OICETS)」は、昨年11月24日に4台あるリアクションホイールのうち1台が姿勢制御系から切り離され、3台による稼動が続いていた。しかし、原因が解明され、切り離されていた1台も無事再起動した。

「きらり」は設計上、3台による姿勢制御にまったく問題はなかったが、その後の調査で、切り離されたホイールの回転数誤差モニタが一時的に異常値を示し、姿勢制御系の安全機能が働いていたことが明らかとなった。これを受けて、宇宙航空研究開発機構では、4月20日再起動のためのコマンド送り、リアクションホイール4台全てによる姿勢制御モードに無事移行された。その後衛星の姿勢状態はすべて正常であることが確認されている。

2006/04/17

JAXAの各施設で「科学技術週間」イベントを開催

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、「科学技術週間」に合わせて各地のJAXA施設の一般公開を含めたイベントを開催している。

「科学技術週間」とは、昭和35年2月に制定され、科学技術について広く一般の理解と関心を深め、日本の科学技術の振興を図ることを目的としている。これにあわせて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、普段目にすることのできない宇宙開発の現場である施設の公開、最新のプロジェクトや活動の紹介、クイズや実験教室などの体験・参加型のイベントを数多く用意している。(各施設の開催日と開催時間は以下の通り。詳細は以下の各施設のホームページを参照(各施設名をクリック)してください。)

4月19日(水)
JAXA i マンスリートーク(18:00〜19:00)
4月22日(土)
筑波宇宙センター(10:00〜16:00)
種子島宇宙センター(10:00〜16:00)
増田宇宙通信所(10:00〜16:00)
4月23日(日)
航空宇宙技術研究センター(10:00〜16:00)
4月29日(日)
勝浦宇宙通信所(10:00〜16:00)
沖縄宇宙通信所(10:00〜17:00)
5月20日(土)
地球観測センター[予定]

2006/04/14

赤外線天文衛星「あかり」が蓋開けを無事終了

今年2月22日に打ち上げられた日本初の赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)が観測機器の望遠鏡の蓋開け(アパーチャーリッドの開放)を予定通り終え、打上げ後の主な初期運用イベントが完了した。

「あかり」は現在、電力、姿勢、観測系もすべて正常に作動しており、今後は最終的な観測機器の試験を行う。初画像を含めた最初の観測成果が届けられるのは、5月中旬の見通し。ビッグバンからたった10万年後という初期宇宙の姿や新たな系外惑星発見に向けて観測が開始されるのは、もうまもなくだ。

2006/04/12

ビーナス・エクスプレス、金星周回軌道へ投入成功

昨年11月9日に打ち上げられたESA(ヨーロッパ宇宙機関)の金星探査機「ビーナス・エクスプレス」が153日間、計4億キロの旅の末、無事金星の周回軌道に入った。今後は、約4週間かけて、現在の長く伸びた一周9日間の周回軌道から金星の極の真上を通過する24時間の極軌道へ移動する。極軌道上からは、少なくとも486日間(金星上の2日間)、構造や大気などの観測が行われることになっている。

2006/04/10

「きらり」(OICETS)が世界初の光通信実験に成功

3月22日から31日にかけて、高度約600kmを周回中の光衛星間通信実験衛星「きらり(OICETS)」とNICTの光地上局(東京都小金井市)との間で、レーザ光による光通信実験が行われ、無事成功した。こうした低軌道地球周回衛星と光地上局とを結ぶ光通信実験成功は、世界初。

低高度地球周回衛星と地上局間の光通信は受信光レベルが大気の影響を受け大きく変動する。しかし、今回の実験では高速で移動しながら地上局に正確にレーザを送信しつづけるという難易度の高い技術実現に成功したことで、我が国の技術的優位性が示されたことになる。今後は、欧州宇宙機関(ESA)やドイツ航空宇宙機関(DLR)の衛星との通信実験を通して、性能の確認や大気の影響についての評価が行われることになっている。

国際宇宙ステーション第12次長期滞在搭乗員が無事帰還

昨年10月から国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた第12次搭乗員2名及び、ブラジル人のマルコス・ポンテス宇宙飛行士が、日本時間4月9日(日)8時48分に無事カザフスタン共和国に着陸した。クルーと共に、JAXAの3次元フォトニック結晶生成実験の実験装置と、高品質タンパク質結晶生成実験の実験装置も帰還した。

2006/04/05

「日本の宇宙開発発祥の地」記念碑が建立

4月1日(土)、「日本の宇宙開発発祥の地」の記念碑建立の除幕式が行われた。国分寺のペンシル水平試射の跡地であるこの記念碑の場所は、早稲田実業学校正門前広場(道路寄り)にある。

記念碑は高さ1m余りの御影石作りで、国分寺市長による「日本の宇宙開発発祥の地」の文字、ペンシルロケットを持つ糸川英夫博士の画像が写真そのままに、黒御影石に彫り込まれている。また、タイムカプセルが埋納された前面の下部分には松本零士さんの銀河鉄道999のイラストが彫り込まれた黒御影石が載せられている。タイムカプセルは50年後の2055年に掘り出されることになっている。