情報トピックス(2006年2月)

国内のさまざまなメディアで取り上げられた天文ニュースや天文分野の最新書籍などを紹介しています。記事の詳細については各リンク先を参照してください。なお、投稿画像は天体画像ギャラリーに掲載しております。ぜひご覧ください。

2006/02/27

天文関連書 新刊情報

対称性から見た物質・素粒子・宇宙 (ブルーバックス)鏡の不思議から超対称性理論へ
広瀬立成著 講談社
980円 新書 270,6p
ISBN 4-06-257505-1
ネクスト・アインシュタインようこそ研究室へ 1 進化する宇宙大発見
的川 泰宣監修 日本宇宙少年団編社 新日本出版社
3200円 A4変形 62p
ISBN 4-406-03238-X
ネクスト・アインシュタインようこそ研究室へ 2 ぼくらの地球謎に迫れ!
的川 泰宣監修 日本宇宙少年団編社 新日本出版社
3200円 A4変形 62p
ISBN 4-406-03239-8
HAL(ガムコミックスプラス) Hyper Academic Laboratory
あさり よしとお作 ワニブックス
609円 新書 198p
ISBN 4-8470-3539-9

被災地レイテ島観測で陸域観測技術衛星「だいち」が貢献

フィリピン・レイテ島ギンサウゴン付近で2月17日に発生した地すべりについて、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載された高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)とフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)とが観測を行い、観測データを国際災害チャータとアジア防災センターに提供した。

災害発生前のSPOT(フランスの地球観測衛星)の観測データ等に、災害発生後の「だいち」のAVNIR-2による観測データを加えて災害状況の解析がなされた。分析画像は、国際災害チャータを通じて「UNOSAT」に公開された。

2006/02/24

天文関連書 新刊情報

皆既日食ハンターズガイド STUDIO VOICE別冊
ecipseguide.net/編、INFASパブリケーションズ
1800円 B6判 191p 21cm
ISBN 4-900785-38-5

「あかり」(ASTRO-F)の初期運用について

2月22日午前6時28分に内之浦宇宙空間観測所から打上げられた第21号科学衛星「あかり」(ASTRO-F)の初期運用について発表があった。同衛星は、22日の打ち上げから約2時間後、太陽電池パドルを展開、そして発電が確認された。しかし、その後姿勢制御の太陽指向が終了しなかった。原因は、二次元太陽センサ(NSAS)出力値の異常。しかし、太陽電池から必要な電力を確保できていることから、今後の運用観測には支障がないと発表されている。現在宇宙航空開発機構では、二次元太陽センサ(NSAS)の状況を調査を進めている。

2006/02/22

「ASTRO-F」打ち上げ成功、愛称は「あかり」

赤外線天文衛星(ASTRO-F)が2月22日午前6時28分、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット8号機によって打上げられ、その愛称が「あかり」と命名された。ロケットは打ち上げ後、正常に飛行、衛星を分離、軌道投入にも成功し、太陽電池パドル(PDL)が正常に展開されたことも確認された。「あかり」(ASTRO-F)の試験観測期間は2ヶ月、その後約1年半にわたり本格的な観測を行う。

2006/02/20

科学衛星「ASTRO-F」打ち上げ時刻が決定

2月21日に行われることが発表されていた、わが国初の単独本格的赤外線天文衛星「ASTRO-F」の打ち上げの時刻が決定され、日本時間6時28分と発表された。これは、ロケットの有人宇宙システムとの衝突防止に係るCOLA(COLlision Avoidance)解析の結果によるもの。(COLA解析については、以下のリリース元を参照のこと。)

「運輸多目的衛星新2号」(MTSAT-2)軌道投入に成功

日本時間2月18日15時27分に、「運輸多目的衛星新2号」(MTSAT-2)を搭載したH-IIAロケット9号機が打ち上げられ、リフトオフから約28分11秒後に分離され、静止トランスファー軌道に無事投入されたことが確認された。

「MTSAT-2」は、昨年2月に打ち上げられた運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R:「ひまわり6号」)と同様、地上約36,000kmの赤道上空で静止衛星としてMTSAT-1Rと2機体制で航空管制を行う。さらに、MTSAT-1Rの運用終了後には、その後継機として気象観測に活躍することになっている。

2006/02/17

「だいち」の初画像は「富士山」

今年1月24日に打ち上げられた陸域観測技術衛星「だいち」に搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)の試験初画像が公開された。2月14日10時30分(日本時間)頃に受信された画像には、富士山と静岡県清水港が捉えられている。高分解能な上、3方向立体視が可能で、地球観測衛星のデータとしては世界初の試み。なお、観測画像をもとに作成された立体ムービーが以下のリリース元で公開されている。

  • 宇宙航空研究開発機構(JAXA)プレスリリース2006: http://www.jaxa.jp/news_j.html陸域観測技術衛星「だいち」搭載 パンクロマチック立体視センサ(PRISM)の取得画像について

2006/02/15

H-IIA 9号機打上げライブ中継

2月18日(土)に予定されている、H-IIAロケット9号機による運輸多目的衛星「MTSAT-2」の打上げのライブ中継が各地で行われる。ライブ中継場所は、丸の内oazo ○○広場(おおひろば)およびJAXA i、勝浦宇宙通信所内、沖縄宇宙通信所(ビデオルーム)、筑波宇宙センター(広報・情報棟 視聴覚室)となっており、それぞれ中継は打上げ時刻である15時26分 ( 〜16時44分)の約45分前から予定されている。なお、打上げ日程は変更の可能性があるため、MTSAT-2/ H-IIA F9 カウントダウンで事前に情報を確認のこと。

2006/02/13

天文関連書 新刊情報

見えないもので宇宙を観る 学術選書 宇宙と物質の神秘に迫る
小山 勝二編著、舞原 俊憲編著、
中村 卓史編著、柴田 一成編著
京都大学学術出版会
本体1575円 B6判 153p
ISBN 4-87698-807-2
宇宙旅行ハンドブック 「予算」「コースの選び方」から「トイレの使い方」まで
E・アンダーソン著 小林淳子訳 文芸春秋
本体1850円 224p
ISBN 4-16-367900-6

2006/02/06

「スターダスト」は冬眠モードへ

1月15日に見事彗星のサンプルを地球に持ち帰ったNASAの彗星探査機「スターダスト」は、7年間の旅を終え1月19日冬眠モードに入る指令が送信された。太陽周回軌道上を飛行中のスターダストは、次の活躍の機会をじっと宇宙で待ち続ける態勢に入った。一方で、スターダストが持ち帰った粒子は予想を上回る量で、すでにアエロジェルからは6つ粒子が取り出されており、赤外線分光器やX線による分析が進められている。

科学衛星「ASTRO-F」、2月21日打ち上げへ

わが国初の単独本格的赤外線天文衛星「ASTRO-F」の打ち上げが2月21日(火)に行われることが発表された。ASTRO-Fは、SFU衛星(1995年打ち上げ)に搭載されたIRTSに続く日本の軌道上赤外線望遠鏡。1983年打ち上げられたIRAS衛星同様、全天サーベイ観測を行い、その性能はIRAS衛星をしのぐもので、原始銀河の探査や星の誕生と最期に関わるダストの量や成分、さらには系外惑星系の発見が期待されている。