イトカワ着陸点名「はやぶさポイント」に決定

【2006年1月11日 宇宙科学研究本部 宇宙ニュース

「はやぶさ」は、2010年6月の帰還に向けて復旧運用が続いている中、2005年12月に募集された「イトカワ着陸点」の名称が決定され「はやぶさポイント」と命名された。応募総数は、合計2146件。重複などを除いた1985件について、「はやぶさ」運用チームなど関係者による議論の結果、着陸地点を「はやぶさポイント」と命名する事が決まった。


(中央の白い点がターゲットマーカ、黒い影は「はやぶさ」)

中央の白い点がターゲットマーカ、黒い影は「はやぶさ」(2005年11月26日6時24分、高度約250mから撮影)。クリックで拡大(提供:ISAS/JAXA)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では決定の理由として以下の点をあげている。

  • 一般からのご応募での最多投票名である。
  • 「はやぶさ」がイトカワから離陸してしまうと、イトカワ上には「はやぶさ」が着陸した場所と明示する名称はなくなってしまうので、それを示すという意味でも妥当である。
  • 1回目と2回目の着陸点は非常に近接しているため、ほぼ1箇所とみなせる。そうすると単独でも今回の成果を示すことができる名前が妥当である。

今回の地名は、正式な名前として国際天文学連合(IAU)に申請されるものではないが、今後、イトカワ上に「はやぶさ」の名前が永久に残り、はやぶさの探査を記録するものとして呼びならわされることとなる。

なお、2005年12月に運用が困難な状況となり姿勢の回復が待たれている「はやぶさ」の地球への帰還は当初の予定より3年間延期の2010年6月に変更されている。「はやぶさ」は時間が経てば一定の方向に姿勢が落ち着くよう設計されているなど、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では復旧できる確率は比較的高いとしている。救出運用期間は今後約1年間とのことだ。しかし、課題は多く、地球・太陽へ向いた姿勢で安定するかどうか、帰還のためのイオンエンジンを作動させるための機器が正常に機能するか、姿勢を安定させるため不調のスラスタをどうするかなどだ。「はやぶさ」の地球帰還には、まだまだ乗り越えなければならない難関が待っているようだ。

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