火星に生命存在か?地質学的に活発な活動

【2005年3月23日 Brown University News

火星探査機マーズ・エクスプレスの観測から、火星で氷河の移動や火山の噴火といった活動が最近起こったという証拠が発見された。

(火星の4km級の高さの山付近に見られる氷河の移動の3D画像)

火星の4km級の高さの山付近に見られる氷河の移動。データは、マーズ・エクスプレス高解像度ステレオカメラによる。クリックで拡大(提供:European Space Agency)

データの分析によれば、35万年から400万年前にかけて、火星の氷河が極から赤道付近へ移動したようだ。また、別の報告書では、3億5000万年前の大きな噴火の跡も見つかっている。火山のくぼ地には、500万〜2400万年前に積もったとみられる氷河の堆積物が発見されている。

これらのデータから、火星における最近の気候変動がわかる。火星は現在「間氷期」(氷期と氷期の間の、比較的暖かい気候の期間)にあるようだ。

さらに研究チームは、12月に火星の5つの火山でカルデラを発見した。これらは200万年程度前は活発に活動していたが、もしかすると現在でも活動しているかもしれない。多量の氷と火山活動によって水や熱が供給されていれば、火星に原始的な生命が存在する可能性もある。3万年前のアラスカの氷の塊の中に生きたバクテリアが発見された例もあり、火星上の生命の存在に関する論議が再び熱くなっている。

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