長谷田勝美さん、らしんばん座に新星らしき天体を独立発見

【2005年2月13日 VSOLJニュース(138) / 国立天文台 アストロ・トピックス(88)

(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんは、新星を数多く発見されている天体捜索者です。このたび長谷田さんは、らしんばん座に新星らしき天体を独立に発見されました。

この天体は、3月11.191日(世界時、以下同様)に、南米チリのラスカンパナス天文台に置かれた全天自動捜索システム(ASAS-3)によって発見されたものです。長谷田さんは、16.45日に撮影した写真でこの天体に気付き、報告されました。

これまでに報告されている天体の明るさは以下のとおりです。

3月5.259日 14.0等以下V ASAS-3
11.191日 12.0等V ASAS-3
14.260日 12.4等V ASAS-3
15.00日 12.6等V ASAS-3
16.00日 12.8等V ASAS-3
16.45日 13.3等写真 長谷田勝美
16.488日 13.1等CCD 板垣公一

確認観測を行なった板垣公一(いたがきこういち)さんは、この天体の位置を以下のように測定されています。冬の銀河のほとりにあたります。

赤経  09時18分58.50秒
赤緯 -29度42分37.0秒  (2000年分点)
新星周辺の星図

増光前の画像では、この位置に18等ほどの天体が見られます。この星が増光したのであれば、増光幅は6等ほどと小さく、新星であるかどうか今後の追跡観測が待たれるところです。

(国立天文台 アストロ・トピックス)

愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんが、らしんばん座に新星らしき天体を独立に発見しました。この発見は九州大学の山岡均(やまおかひとし)さんを通じて国際天文学連合に報告されました。

この天体は、3月11.191日(世界時、以下同様)に、南米チリのラスカンパナス天文台に置かれた全天自動捜索システム(ASAS-3; )によって発見されたものです。

長谷田さんは、16.45日に撮影した写真でこの天体に気付き報告されました。

確認観測を行なった板垣公一(いたがきこういち)さんによれば、この天体の位置は以下のとおりです。冬の天の川銀河の縁にあります(VSOLJニュースと同じなので省略)。

増光前に撮影された画像では、この位置に18等ほどの天体があり、この星が増光したとすると増光幅は6等ほどで、新星であるかどうか今後の追跡観測が待たれています。

長谷田さんは、新星を数多く発見されている観測者です。長谷田さんの今回の発見は2002年9月20日のいて座新星(V4743 Sgr = Nova in Sgr)に次ぐもので、通算4個目の発見となります。

(注)ASAS-3: "The All Sky Automated Survey" (ASAS; 全天自動捜索)の第3世代の装置で、ポーランドのワルシャワ大学などの研究チームによって、チリのラスカンパナス天文台に設置されている。観測装置は最大でも口径20cm強と小型だが、広角CCDカメラを含めた3台の機材によって、観測できる空全体で14等星ぐらいまでの約1000万個の星の変光を常時測定しようという野心的なシステム。観測結果は即時に解析され、インターネット上で誰でもデータを検索する形で発表されている。
出典:VSOLJニュース 103:ASAS-3自動サーベイ望遠鏡が記録したいて座新星(V4745 Sgr) 2003年5月3日。