2つの銀河に輝く超新星

【2004年12月31日 ESO Press Release

目を奪われるほどの美しい姿をみせる2つの銀河とそれぞれに存在する超新星を捉えた画像が公開された。ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル観測所のVLT(Very Large Telescope)に搭載されたVIMOSが観測したのは、へび座にある銀河NGC 6118とつる座にある銀河NGC 7424で、いずれもその銀河の美しさと超新星の存在が特徴的である。

(NGC 6118の赤外線画像) (NGC 7424とSN 2001igの画像) (NGC 7424の画像

(上)NGC 6118、(中)NGC 7424、左が2002年6月で右が2004年10月、(下)NGC 7424。全てクリックで拡大(提供:ESO)

渦巻銀河NGC 6118は、われわれから約8000万光年離れたへび座にある、ひじょうにかすかな銀河だ。そのため、小さな望遠鏡による観測は不可能で、観測者の視線がそれた瞬間にその存在を見失ってしまう。このために、「まばたき銀河」の別称をもつ。NGC 6118の画像中、北に捉えられているのが2004年8月に初めて報告された超新星2004dkだ。

一方、約4000万光年離れたつる座の銀河NGC 7424に存在するのは、超新星2001igだ。この超新星は、オーストラリアのアマチュア天文家によって2001年12月に12.3等級の明るさで発見された。銀河全体の等級は11等級なので、そのおよそ3分の1程度の明るさだったことになる。超新星2001igの爆発で生き残った伴星もやがて超新星として爆発する運命にあると考えられており、将来の観測では、その発見と詳細な観測が期待されている。