太陽活動サイクルにばらつき、正確には11年ではないのか?

【2004年11月2日 Science@NASA

1998年から過去6年間の太陽観測でずっと現れていた太陽黒点が、今年の1月28日に続き、10月11日、12日にもまったく姿を見せなくなった。これは、太陽活動が従来考えられてきたような正確な11年間サイクルではなく、最短9年、最長14年とばらつきがあるためだと専門家は話している。

(10月11日の太陽の画像)

(太陽黒点数の予測図)

(上)今年10月11日の太陽の画像、(下)2006年までの太陽黒点数の予測図。クリックで拡大(提供:(上)ESA/NASA Solar and Heliospheric Observatory, (下)NASA/NSSTC/Hathaway)

太陽黒点は、暗く、冷たく、強力な磁場を持っている。典型的な黒点は、出現後数日から数週間の間に消え、また別の黒点が次々と現れる。太陽活動が不活発なときでも、通常は1、2個の黒点は見えているのだが、今年1月28日には、太陽から黒点が完全に消えてしまった。そして、この現象は、10月11日、12日にも再び起こったのだ。専門家は、太陽活動のサイクルは正確な11年周期ではなく、もっとも短いときで9年ほど、最長14年間程度とばらつきがあると話している。しかし、一体何がサイクルの長短を決定しているのかは、まだわかっていない。

しかし、これまでの太陽活動サイクルに関する研究結果から、太陽活動の極小期を予測する方法が考えだされている。活動極大期後、最初の黒点ゼロ日から34か月で活動極小期が訪れるというのだ。たとえば、もっとも最近の活動極大期は2000年末だった。そして、これ以降最初の黒点ゼロ日は、2004年1月28日である。これに考えだされた法則をあてはめると、次の太陽活動極小期は2006年末ということになり、今まで考えられていたより1年ほど早くなる。

また、活動極大期も同様に早く訪れると考えられている。活動極小期後、太陽活動は急激に活発になり、次の活動極大期は2006年の極小期からちょうど4年後の2010年と計算されている。果たして、予測どおり2010年に活動極大期が訪れ、美しいオーロラを見せてくれるだろうか。専門家は、この法則の正しさが証明されるだろう2010年を心待ちにしているという。