HETE-2が捉えた、超新星爆発の兆候と思われる高エネルギー現象

【2004年10月6日 Goddard Space Flight Center Top Story

超新星爆発の兆候と思われる爆発現象が異なる3つの領域から捉えられた。この観測から、超新星爆発を起こす天体を事前察知でき、超新星の進化過程が明らかにされることが期待されている。

(超新星の想像図) (星の崩壊の引き金と考えられているガンマ線バーストの想像図)

(上)超新星の想像図、(下)星の崩壊の引き金と考えられているガンマ線バーストの想像図(提供:NASA)

今年9月12日と16日に捉えられたのは、2つのX線フラッシュだ。これら2つのX線フラッシュに続き、同月26日にはX線フラッシュとガンマ線バーストのちょうど境界と言える放射線が捉えられた。これらが超新星爆発を予告するシグナルだとすると、今後専門家は超新星爆発を事前に予測することが可能となる。その場所を見守ることで、超新星爆発の一部始終を観測できることになるのだ。

今回の現象の検出によって、従来ガンマ線バーストを伴う超新星爆発はX線フラッシュとは関係がないしていた説が否定されることになりそうだ。今回のX線フラッシュの観測は、超新星爆発へとつながる初の現象の観測となるかもしれない。

現象の検出に活躍したガンマ線バースト観測衛星HETE-2(High Energy Transient Explorer)は、現象を検出し、自らも観測を行う。と同時に、他の天文台に現象の位置を知らせ、引き続き余光の観測を可能にさせる役割を担っている。

なお、リリース元では、超新星爆発とガンマ線バーストの動画が公開されている。