エプソン、世界初のレンジファインダー採用デジタルカメラ「R-D1」を発表

【2004年3月15日 セイコーエプソン株式会社

セイコーエプソン株式会社は、長野のカメラメーカーである株式会社コシナとの協業により、世界初のレンジファインダー採用デジタルカメラ「Epson Rangefinder Digital Camera R-D1」を発売すると発表した。発売は今夏の予定。価格はオープン。

R-D1

レンジファインダー採用デジタルカメラ「R-D1」。メーカー希望小売価格はオープンだが、実売価格は30万前後か(提供:セイコーエプソン株式会社)

「R-D1」は、あえてアナログ的な“使いこなす喜び”を感じられることに重点を置いた、マニュアル感覚の610万画素のデジタルカメラだ。「R-D1」の開発にあたっては、以下のいずれもデジタルカメラでは世界初となる特徴を盛り込んだという。

  • レンジファインダー(二重像合致式距離計連動ファインダー)の採用
  • ライカ社のL/Mマウントに対応
  • 等倍率ファインダーを採用

レンジファインダーとは、三角測量の原理で距離を測るための専用の機構(実際にはファインダー内で実際に見える二重像を重ね合わせることでピントを合わせる)を搭載しているカメラのこと(ちなみに、現在主流である一眼レフでは、ファインダースクリーンに映った像のボケ具合を見ながらピントを合わせる)。撮影レンズから独立した機構のため、レンズ交換してもファインダーの明るさが変わらず、暗い場所でのピント合わせに有効だといわれている。また、一眼レフと違って、シャッターを切る際に視野が消えることがないという特徴も持っている。

レンズマウントはライカのM/Lマウントに対応(Lマウントレンズはリングアダプターを利用)。ただし、マウントよりカメラ側に20.5mm以上食い込むレンズは、シャッター幕に干渉するため、使用できないといった制約があるので注意は必要だ。等倍率ファインダーは、両眼で見たときにファインダーを通しての像と、裸眼で見た像が全く同じ見え方をするということで、低い倍率の光学ファインダーと比較してピント精度が向上するメリットがある。

アナログ的な使い勝手を重視しているだけあり、ピント、絞り、シャッタースピードの操作はすべて手動。また、特筆すべきは、背面から見て本体右上に、本来デジタルカメラには必要のないフィルム巻上げレバーをシャッターチャージ用として搭載している点だろう。シャッターを切るごとにチャージ操作をさせるなど、フィルムカメラの操作感を意識していてユニークだ。シャッター速度は1/2000〜1秒およびバルブに対応している。

その他の仕様として、撮像素子は2インチ(APS-Cサイズ)の有効610万画素原色フィルタ付きCCD。ISO感度は200/400/800/1600相当。記録形式はRAWとJPEGとなっている。

随所にアナログ的な要素を盛り込んでいるため、カメラ初心者には使いこなすのが難しいかもしれないが、昔のライカレンズをデジタルカメラに装着できるなど、マニア受けしそうなカメラといえそうだ。

「Epson Rangefinder Digital Camera R-D1」の主なスペック

型式:
距離計連動レンズ交換式デジタルカメラ
有効画素数:
610万画素
撮像素子:
APS-CサイズCCDセンサ(原色フィルター)
記録画像サイズ:
CCD-RAW(12bit): 3008×2000 pixels
JPEG:3008×2000 pixels / 2240×1488 pixels
記録メディア:
SDメモリーカード
ファインダー形式:
実像距離計式等倍逆ガリレオ透視ファインダー
レンズマウント:
EMマウント(ライカ社M型互換マウント)
(アダプター(コシナ社製、別売)によりLマウントレンズも装着可)
シャッター:
電気制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター
シャッター速度:
1/2000〜1秒 / バルブ
露出制御方式:
絞り優先AE、マニュアル、(AEロックボタンによるAEロック機能)
撮像感度(ISO):
200 / 400 / 800 / 1600
ホワイトバランス:
撮像センサによるTTL方式オートホワイトバランス

<参照>

<関連リンク>