NASAのX線望遠鏡チャンドラ、衝突銀河に「宇宙の鉱脈」を発見

【2004年1月26日 Chandra Press Room

NASAのX線望遠鏡チャンドラが、6000万光年離れた衝突銀河「アンテナ銀河」で、大量のネオン、マグネシウム、ケイ素などの元素を発見した。これらの物質はやがて、たくさんの恒星や惑星系を生む可能性がある。

(チャンドラによるアンテナ銀河の画像)

チャンドラによるアンテナ銀河。上:ループ状に銀河の南の部分から広がるガスや数百万度のガスの広がりが見える。明るい点は中性子星やブラックホール。青、赤、緑はそれぞれX線の強度(強中弱)を表している。下:中心部の拡大画像。ガスの広がりや元素の分布を示している(提供:NASA/CXC/SAO/G. Fabbiano et al.)

銀河同士の衝突によってガスが圧縮されると、星の形成が加速される。そのようにしてできた星のうち寿命の短い大質量星は、数百万年のうちに、われわれの銀河系の30倍という早い割合で次々と超新星爆発を起こす。すると、それらの星の内部で作られていた重元素が数千光年にもわたって撒き散らされる。さらに、超新星爆発によって、周囲のガスは摂氏数百万度に加熱される。

こうした重元素を含む高温のガスは光学望遠鏡では見えないが、X線でなら観測することが可能だ。チャンドラは初めて、アンテナ銀河の詳しいデータを提供してくれた。たとえば、たった一つのガス雲のなかに、太陽の16から24倍ものマグネシウムやケイ素が含まれていることがわかったのだ。

これらの物質は、生命を育む惑星の形成になくてはならない構成要素であり、宇宙のいろいろなところで見られるが、なんといっても銀河の衝突によってもたらされるその量は群を抜いている。また、重元素が豊富な場合には惑星系が形成されやすくなるということが、いくつかの研究によって示されている。アンテナ銀河で将来ひじょうに多くの惑星が作られるかもしれない。より多くの惑星が存在すれば、それだけ生命体誕生の可能性も高くなると言えるだろう。

このような銀河の衝突現象は、われわれの銀河系の将来そのものを見せれくれている。われわれの銀河系も、30億年以内にはお隣のアンドロメダ大銀河と衝突すると考えられている。衝突した銀河は破壊され、数百万もの太陽のような若い星を持つ新たな巨大楕円銀河が作られると考えられている。惑星系や生命体も、ひょっとすると誕生するかもしれない。