ハッブル・ヘリテッジ・プロジェクトが5周年

【2003年10月7日 HubbleSite - NewsCenter

NASAが運営するハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像を集めて整理している「ハッブル・ヘリテッジ・プロジェクト」が、先日5周年を迎えた。1998年の発足以来、月に1枚のペースで、惑星や惑星状星雲、星形成領域、銀河、銀河団など、70枚ほどの画像を公開している。

(M104の写真)

おとめ座のソンブレロ銀河M104。6枚の画像を合成(提供:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

ハッブル・ヘリテッジ・プロジェクトの役割は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した膨大な数の画像から一般向けのものを探し出し、場合によってはその天体を追加観測して画像を補完して、一般に公開することだ。ハッブル宇宙望遠鏡が過去13年間に撮影した生の画像は50万枚以上にものぼるが、ほとんどの場合は研究者のデータとして用いられるだけで、一般の人々が目にする機会はあまりない。また、そのような画像は特定の波長だけで撮影されていたり天体のごく一部だけを撮影していたりするので、そのまま見て楽しめる美しい画像ではないこともあるのだ。

プロジェクトのメンバーは、観測用に割り当てられた少しの時間を使い、そのような天体を別の波長で観測したりより広い範囲を撮影したりして、画像が美しく見えるように整えるのである。また、これまでのハッブル宇宙望遠鏡の(科学目的の)観測からは外れているが見た目に面白い天体を選んで撮影するという場合もある。

今回公開されたのは、おとめ座にある銀河M104で、私たちからは約2800万光年離れた天体である。その形がメキシコのソンブレロという帽子に似ていることから、「ソンブレロ銀河」という愛称がつけられている銀河だ。見かけの大きさが満月の直径のおよそ5分の1もあり、全景を収めるため6枚の画像を合成している。

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