130億年前に形成された惑星が発見された

【2003年7月16日 HubbleSite - NewsCenter

ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測により、球状星団の中心部に見つかっていた惑星が130億年前に誕生したものであることがわかった。宇宙の誕生から間もないころに誕生していたこの惑星は、これまでに見つかっている惑星のうちもっとも古いものである。

惑星が見つかったのは、地球から5,600光年離れたさそり座の球状星団M4の中心部である。木星の2.5倍ほどの大きさがあり、その惑星の太陽から30億kmほど離れたところを約100年かけて公転している。宇宙誕生からまもなく形成されたため、星の内部で作られる重い元素があまり含まれていない惑星だと考えられている。

この惑星の発見は、そもそもは球状星団中の中性子星の発見から始まった。中性子星は規則正しく電波を発するが、その周期のわずかなずれから、中性子星と連星系をなしている白色矮星の存在が明らかになった。そして、白色矮星を考慮してもまだ足りないずれが残ったため、別の天体があるはずだと考えられたのだ。詳しい観測やモデル計算の結果、この天体の質量が木星の約2.5倍であることがわかり、恒星としては軽すぎるため、惑星であると結論付けられたというわけである。

研究によれば、次のようなシナリオが考えられている。最初は、私たちの太陽のような恒星と惑星とが惑星系を作っていた。惑星は木星軌道ほどの距離を公転していたようだ。この惑星系が球状星団の中心部へと移動して別の中性子星連星系と出会い、中性子星の元の相手を弾き飛ばす。その後、惑星系の主星は赤色巨星へと進化し、中性子星にガスをはぎ取られて最終的に白色矮星となる。一方、惑星の公転軌道は天王星軌道ほどまで広がった。こうして、観測されているような系ができあがったのである。

今回の惑星の場合、表面がガスであることや重い元素があまり含まれていないこと、中性子星からの強烈なX線にさらされていることなどの理由から、生命が存在する可能性はほとんどないようだ。しかし、130億年も前から惑星が誕生していたという事実は、惑星形成や地球外生命の分野に大きな影響を与えそうである。

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