すばる望遠鏡建設記録映画「未知への航海」が各賞を受賞

【2003年3月20日 国立天文台天文ニュース(623)

すばる望遠鏡の建設記録映画「未知への航海」(16mm版、55分作品)(企画:国立天文台、制作:U.N.リミテッド)が、毎日映画コンクール記録文化映画賞、文化庁優秀映画大賞、科学技術映像祭文部科学大臣賞を受賞しました。

この映画は、1991年から撮影が始まり、途中、岩波映画社の倒産などの困難を乗り越え完成したものです。長期取材によるマウナケア山頂での過酷な工事のようすのほか、8.2メートル主鏡制作の工程や輸送のようすが丹念に描かれています。また、主鏡セルやアクチュエータ等の各パーツの国内での制作過程から、技術的課題への技術者たちのあくなき挑戦、すなわち日本のエンジニアの底力も伝わってくるような見所の多い作品に仕上がっています。ナレーションは女優の幸田弘子さんとハワイ観測所の林左絵子助教授が担当しています。

なお、すばる望遠鏡はすでに菊池寛賞(日本文学振興会、平成11年)、東京クリエイション大賞(東京ファッション協会、平成11年)、グッドデザイン賞金賞(日本産業デザイン振興会、平成12年)等を受賞しています。本来の目的である天文学発展への寄与とは異なる視点からも、すばる望遠鏡は注目されているようです。