M110に現れた新星らしき天体の発見2時間前写真

【2002年11月12日 アストロアーツ】

10月5日に山形県の板垣公一さんが発見された、アンドロメダ座の銀河M110に現れた新星らしき天体は、日本人が初めて銀河系外に発見した新星(未確認)である。この新星を板垣さんの発見画像の約2時間前に写真に捉えていた画像を、山田哲司さんに送っていただいたので紹介しよう。

(M110の画像)

M110と新星。クリックで拡大(提供:山田哲司氏。サムネール画像中のマーカーはアストロアーツによる)

撮影者:
山田 哲司
撮影日時:
2002年10月5日 20時8分24秒(日本時間)、総露出時間100分
撮影地:
兵庫県佐用町 西はりま天文台公園
撮影機材等:
キヤノン EF 300mm F2.8L開放、ビットラン BJ-41L冷却CCD(-15度に冷却)、ビクセン GPD、AGA-1にてガイド、アイダス LRGBタイプIIIフィルター(L5分×2枚、L10分×2枚、L20分×2枚,RGBは2×2で、5分×2枚ずつ)

新星発見前後の画像は、天体の光度変化やスペクトルという重要な情報を提供してくれ、本当に新星かどうかを判定したりどのようなタイプの新星なのかを研究したりするのに役立つ。この画像を撮影された山田さんも「日本人が初めて銀河系外で発見された新星となる可能性があるのですから日本人の力でデータがたくさん集まればと思っております。新星であると断定できることが発見した板垣さんへの慶びになればと思います」とコメントを寄せてくださっている。